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「計画」28

 無抵抗な僕に散々なことをしてくれたお返しに、子供みたいに手に付いた水を神近くんに振って、怯んだ隙に部屋に逃げ込んだ。 「水浸しじゃないですか! やることなすこと子供みたいですね!」  嫌味たらたらな声を聞きつつ、僕は意表返しが出来たことをほくそ笑む。  しばらくすると神近くんは戻ってくるなり、しかめっ面で僕を見下ろした。 「な、何? 神近くんだって嫌がらせしてきたじゃん」  神近くんが怯んでいる僕の手を取るなり、引きづるようにしてベッドに移動させられる。 「物足りないんじゃないですか? 中途半端は嫌いですよね」  悪戯ぽい表情に変わった神近くんに、僕は恐怖よりも羞恥で頬が熱くなる。否定も肯定もできずに俯いていると、神近くんがベッドに手をついて距離を詰めた。 「黙っているってことは、そういうことなんですよね」 「ち、違う!」  慌てて否定の言葉を吐き出すも、神近くんは胡散臭そうな笑みを浮かべるだけだった。 「じゃあ、したくないんですか?」 「したくないわけじゃないけど……」  まだ引き切らない熱を持て余していた僕は、期待に疼いてしまう感情に収拾が付けられずにいた。僕だって思春期真っ盛りの高校生男子だし、性的な事に関して嫌いなわけじゃない。

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