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「虚像」39
こんなところを家族に見られたら、神近くんはそれこそいずらくなってしまうだろう。僕だったら恥ずかしくて顔を合わせられない。
遠慮のない動きに僕は思わず手を伸ばして、神近くんの太ももを押しやる。
「はぁ、ぁっ、かみちかくん。激しいから……声出ちゃう」
「良いですよ。いっそのこと、見せつけてやればいいんです」
神近くんは悪戯っぽい笑みを浮かべるだけで、加減はしてくれない。
「い、いやだっ……」
僕が首を振るも、襲いくる快楽には逃れられない。涙がボロボロと涙が溢れ出し、張り詰めた下腹部が痛いぐらいだった。
神近くんの指が僕の昂ぶりに触れ、先端から溢れる雫を纏いながら扱き上げてくる。
「あぁっ、ンッ……」
二重の責め苦に僕はすっかり抵抗する気も失せてしまう。足を神近くんの腰に絡めて、奥に誘った。奥まで挿し込まれ、ゾクゾクとした悦楽が背筋を駆け上がり、腰が浮き上がってしまう。
「……先輩。すごくエロいですよ」
神近くんの言葉で無我夢中になっていた事に気づかされ、羞恥心で全身が震えだす。
「そんなこと……言わないでっ」
「褒めてるんですよ」
褒められたって嬉しくない。まるで淫乱みたいじゃないかと言い返したくとも、言葉にはならなかった。
「ぁ、やっ、もうむりっ」
限界に近かった僕はぎゅっとシーツを握りしめ、快楽の波に飲み込まれていく。
「ッ……ーー」
ビクビクとした感触を中で感じ、神近くんが喉を鳴らす。
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