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「ねー、キスは?」
その時、女子の中の誰かがそう言った
すると女子達は更に盛り上がった
「…ナツオ」
不安そうにさくらはナツオを見た
するとナツオは
そんなさくらの頬に唇を寄せた
それはほんの少し触れる程度で
ナツオの熱はほんの一瞬しかさくらには感じなかった
「お嬢様方、これでどうかご勘弁を」
そう言ってナツオは笑顔のままさくらから離れた
すると女子達は残念そうに席についた
そうした後
さくらは急に竜一に会いたくなった
歩きづらいピンヒールをその場に残し
裸足のままさくらは教室を出た
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