及川さんは意地悪い笑みを浮かべながら、俺のジャージのズボンを下着ごと下げた。 「あっ、ちょっと待って！」 「ダーメ！」 俺の制止なんて勿論聞くはずもなく、簡単に足から抜き取られてしまう。 そして及川さんは迷いの無い手付きで、立ち上がりかけた昂りへと手を伸ばしてくる。 掴み取られ、優しくやわやわと手の中で踊らすように揉まれたり、先端を指の腹で撫でられると、 そこにドンドン熱が溜まっていき、体全体が熱くなっていく。 「んやっ、あぁあ……あ、あっ……んはぁ…」 気持ちよさに声を我慢出来ずに出し続けていると、突然強く握り込まれ、身体がビクッと震えた。 「んやぁっ！」 そのままキツく握ったまま、上下にギチギチとしごかれる。 「んはぁっ、あっ、あっ…いっはぁ……ん、んっんんっ！」 「ハハ……痛いぐらいが気持ちい？ もっと苛めて苛めて苛め尽くして、俺に泣きすがるぐらいイかせてあげる」 なんだよそれ……苛めるって、なんでそんな酷いこと言うんだよ…… 俺が何したって言うんだよ？ 俺はただこんなにもあなたが……好きなだけなのに まだ痛いぐらい強く握って上下に擦りながら、片方の手で下の膨らみを揉みこまれる。 そして更に、器用に両手を動かされながら、先端の窪みを舌先で刺激された。 「んあぅっ、やあぁ！　お、いか、さん、やうっ…あぁ、ひあぁ、う、ヤメ、テエェ！！」 下半身に絶え間無く与えられる刺激に目がチカチカとハレーションを起こす。 や、ヤバイ、もう、我慢出来な……イっ、イくっ！ 先端をキツく吸われ、同時に欲望を擦りしごかれて、俺は快感に負けてビクビクと震えながらイってしまった。 「んああああぁぁっっ！！」 ビクビクと痙攣しながら先端を吸っていた及川さんの口内に、欲望を放出させてしまった。 気持ち良くて気持ち良すぎて、我慢なんて出来なかった。 「ん……ハア、ハア……及川さん……」 まさか及川さんの口の中に出してしまうとは、恥ずかしくてじわじわと顔が熱くなっていく。 そして、俺が出してしまった後、ゴクンと及川さんの喉が鳴ったのが聞こえてきた。 もしかして…… 「あ、あんた、まさか飲んだのか！？」 「飲んだけど、それが何？」 しれっと涼しい顔で言われ、それと対照的に俺の顔はますます真っ赤になっていった。 「それが何って……なんで飲むんだよ！ 汚いだろ！！」 「全然汚くなんてないよ。 好きな人の、飛雄の精液なんだから」 また涼しい顔で言われた言葉に、ドキンと心臓が脈打った。 無理矢理してるくせに……なんでそんな嬉しいこと言ってくれるんだ？ この人は、俺を喜ばせるのが上手い。 いつも、あんたの言葉にドキドキして、嬉しくなって、もっともっと あんたのことが好きになってしまうんだ…… なんで今あんたが怒っているのか、全然分からない。 無理矢理されるなんて嫌だ。 嫌だけどそれでもやっぱり、俺はあんたが好きだから、だから、 及川さんと繋がりたい。 無理矢理でもなんでも、好きな人と繋がって、幸せになりたい。 好きだから 「及川さん……ほしい……今俺は、ものすごくあんたがほしいよ…… 抱いて……思いっきり」 そう笑って、真っ直ぐ見つめた。 あんたも笑ってくれると思ってた。 でも、違った…… 及川さんは、何故か顔をしかめて、とても悲しそうな顔をした。 なんでそんな顔……？ 「俺で良いの？　本当は、飛雄は梓ちゃんのことを抱きたいんじゃないの？ 俺に抱かれても良いの？」 「な、なんでまた新藤さんの名前が出てくるんですか？ 俺が好きなのはあんたなのに、なんで今ここで新藤さんの名前を出すんだよ！？ 関係無いだろ！」 声を大にして言うと及川さんは、悲しそうな顔からさっきまでの冷たい、怒りに染まった瞳で睨んできた。 「よく言うよ……さっき梓ちゃんにキスされてあんな顔してたくせに……」 「え？　あんな顔って？」 「やっぱり、渡したくない。誰にも飛雄は渡さない！ 逃がさないよ……」 恐ろしく低い声でそう言い放って、及川さんは俺の後ろの方へ手を伸ばした。