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第1話

僕たちは、夜の電車に揺られていた これから起こる事は怖くないとでもいうように 顔を付き合わせてニヤニヤしたりもした 「…優斗(ひろと)」 「ん?」 「……何でもない」 優斗の横顔をチラッと見て直ぐに肩に凭れる 僕達は、まだ未熟で 親の管理下に置かれている間は 完全な自由なんて、ない…… 『鈴、好きだ』 『…ん、僕も……』 『なら、一緒に遠くへ行こうか……』 学校の化学実験室の隅で 僕達は抱き合い、唇を重ねた…… 優斗はどう思っていたのか解らない でも僕は今日初めて優斗から『駆け落ち』の話を聞き 驚きながらも、そのロマンチックな響きに胸がときめいてしまった 優斗と一緒なら、何処へでもついて行きたい… 幾つもの光が走るのを、電車の窓から眺めた

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