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第2話
「……!」
列車から降りた時から、気付いていた……
ざわざわざわ…
…カツカツカツ
眩いネオンに溢れる人、人、人ーーー
これが、都会……?
僕はただただ圧倒され
ここが同じ日本なのかと、混乱し頭の中が真っ白になる
「………」
隣に立つ優斗の顔が強張っているのがわかった
僕はこの世に優斗しかいない様な気がして、優斗の手にそっと触れる
するとそれに気付いたのか、優斗がそっと握り返した
「………」
「………」
行き着く所まで行こう…
そう思って来たけれど
余りに無計画だった
お互いの所持金を見せ合い
合わせて二千円ちょっとしかない現実に、愕然とする
今夜の食事を確保した途端
所持金は一気に無くなってしまう……
これじゃあ
今夜泊まれる所も、ないーーー
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