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第18話
男の家を出た
早朝だからか
昨日まで澱んでいた空気が少し綺麗になり
僕達二人を優しく包んだ
ふたつ並んだお尻の間に
しっかりと繋いだ僕と優斗の手……
「…始発まであと二十分もあるな」
「……ん、」
「おにぎりでも買って食べるか」
「…そんなお金、あるの?」
「ハハ、んな余裕無かったな!」
優斗と僕に笑顔が戻る
……だけど
少ない所持金で
何処まで戻れるか
解らない…
電車が来るというアナウンスが聞こえる
「…行こうか」
「うん」
手を繋いだまま
ホームを歩く
朝日が登る
僕の首筋についた痕に
柔らかな陽射しが差し込み
それを容赦なく、晒した
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