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【R18】ロアールの初恋(4)

 でもやっぱり、日が高い内からってのもレベル高くて、その小屋まで歩いて行く事にした。テイクアウトのサンドウィッチを頬張って、サラダも食べて。笑ったり何なりしながら湖の周りを散歩しながらいる時間はとても楽しい。  そうして夕方少し前に、俺達は小屋に辿り着いた。 「結構大きくて綺麗だな」 「うん。見つけた時は荒れてたんだけど、少しずつ直したんだ」 「直したって、シエルが?」  驚いて言えば、シエルは恥ずかしそうに頷いた。 「好きなんだ、こういうの。それにね、直したら綺麗になったんだよ。それに、温泉も出てるの」  そう言って中に招かれたそこは、とても温かい感じのする部屋だった。  入って直ぐにリビングになっていて、ラグとテーブルがある。キッチンも小さいながらついているし、奥には大きめのベッドがある。 「どうしてベッドあんなに大きいんだ?」 「あの、僕寝相悪くて…小さいと落ちちゃうの」  恥ずかしそうにモジモジして言うのに、俺は笑う。そういえばそうだった。俺の家に泊まって、一緒に寝ると俺は蹴り出される事があったっけ。 「お前、まだ直ってなかったんだな」 「直らないよ」 「んじゃ、俺に子供できたらしばらく寝室別な」 「え!」 「だって、寝てる間に腹蹴られたら大変だろ?」  言えば顔を真っ赤にして、そして小さく「直す」と呟いた。そんなにしてまで俺と一緒に寝たいのかと、俺は嬉しいやら恥ずかしいやらでムズムズした。  まずは風呂に入って、ローブに着替えた。良いお湯が出ていて気持ちが良くて、ついつい長湯をしてしまった。シエルは直ぐに顔を赤くしたけれど、そこからが長い。のぼせるんじゃないかと思って俺が焦ってシエルを上げさせたくらいだ。  互いに今日は泊まる事を手紙で送って、食事はマジックバッグの中に入れてあるご飯にした。母上がこっそりとカップケーキを入れておいたみたいで、二人して笑って食べた。  ラグの上でまったりと時間を送っている。天井の窓から、星空が見えて綺麗だ。 「シエルは、夜の空中散歩ってしたことあるか?」 「ううん、ないよ」 「今度さ、しようか。気持ちいいんだぜ、星の中を飛ぶの」  誘えば嬉しそうに笑う。上気したその顔を見ると俺はたまらなくて、抱き寄せてそっとキスをした。 「あの…さぁ」 「なに?」 「…いいのか、シエル?」  俺の言いたい事、分かるよな。顔を見れば真っ赤にしているから伝わっている。そのままシエルはコクンと頷いた。  俺はシエルをお姫様抱っこにしてベッドに連れて行った。沈み込む布団の中で、沢山思いだしている。  一応、色々聞いてきたんだ。兄上や、屋敷のスタッフ、軍の仲間に。色々沢山言われて混乱してしまった。その一つずつを思いだしているけれど…正直正解かどうかも分からない情報もある。  例えば縛るとか、目隠しとか、勝手にイかないようにあれの根元を戒めるとか。張り型使うなんて奴もいたけれど、どこで手に入れるんだよそんなの!  ってか、そんな事俺はシエルにできない。シエルだってきっと出来ないと思う。だから、一番オーソドックスだって教えてもらったことを試してみることにした。 「あの、ロアール。僕その、経験ないんだ。だからどうしたら良いか分からないんだけれど」 「俺も初めてだから、ちゃんとは知らなくて…」 「えぇ! あの、どうしよう…」  オロオロとするシエルはベッドの上に座ったままであたふたしている。俺は笑って、とりあえず俺の上に乗るようにシエルの腕を引いた。 「とりあえずさ、俺の上に乗れよ」 「でも、重たいし痛いよ」 「シエル一人乗せたって重くないし痛くないよ。それに、俺が上に乗ったらそれこそシエルに怪我させそうだ」  言えば恥ずかしそうに、少し悔しそうにしている。仕方がないだろ、俺の方がガタイがいいんだし、自分で言うのもなんだけどがさつだからさ。  シエルはおずおずと俺の上に乗った。ペタンとローブの前を開けた裸の肌に、シエルの柔らかな尻が触れている。こんな所まで柔らかいんだって、俺は妙にドキドキしていた。 「あの、ここからどうしたらいいの?」 「確か…キスからって言ってた」 「言ってた?」 「あぁ、いや!」  疑問そうにするシエルに俺はあたふたする。でも直ぐにシエルはニッコリと笑って、俺に覆い被さるようにキスをした。  柔らかい唇が触れて、チュッと音を立てる。その音にも凄く疼く。俺は夢中でそれに応えたけれど、足りない。もっと、何か欲しい。  こんな時、どうするって言ってたっけ。確か兄上は、舌を使って相手の口の中に差し入れてって言ってたような…。  ボーッとしながら情報を頼りにその通りにしてみる。シエルの唇を舌でなぞったら、驚いたように金色の瞳が俺を見た。 「唇、開けて」  頷いて、シエルは無防備に口を開ける。その中に見える小さな赤い舌を見て、俺は妙に興奮した。唇を塞いで舌を差し入れると、驚いたみたいに舌が引っ込んでしまう。縮こまるそこに触れて、促して、絡めた瞬間の腰に響く疼きに俺の熱はカッと上がった。 「やば…これ気持ちいい…」  浮かされたみたいに何度も絡めて吸ってしまう。シエルは切ない声でずっと鳴いていて、時々ビクンと震える。そういう時に、俺もビクンとなる。心臓の音が凄く大きく聞こえた。

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