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新人の吸血鬼×聡明な人間
いつのまにか目の前に誰かが立っていた。
顔を上げると、そいつは俺のことをクリクリした目でじっと見つめていた。
赤い瞳に黒いマント……吸血鬼か。
「アンタの血、くれへんか?」
「俺の血でええの?」
「アンタの血がええんや」
俺は飲んでいたコーヒー缶を地面に置いて、白い首筋を出した。
すると、そいつは勢いよく噛みついてきた。
「んくっ……んくっ……んくっ」
赤ん坊が母親から母乳をもらうように、そいつは一心不乱に吸っている。
「そんなにいそがんでもええよ、逃げへんから」
ポンポンとそいつの頭を撫でて、からだを少し下に下げると、ペロッと首筋を舐めて正面に戻ってきた。
「今度はもっと吸いやすい人にしなアカンで?」
俺がそう言うと、そいつは首をブンブンと振った。
「見つけた……俺のパートナー」
そいつはそう言ってニカッと笑った。
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