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第7話

「変な声出すなよ」 抱き締められたままに言われる。 「変な声出るだろ?驚くから」 腕の中、嫌がる事もしないで黙っている未央。 「嫌がらないんだな」 抵抗もしないで黙っている未央の髪に唇をつける。髪にキスされた事に未央は気付かない。 「だって、こういう事されるの初めてやけんどがんして良かかわからんもん」 「俺もこういう事するの初めてやけん、こっから先どがんして良かか分からん」 その言葉で2人して笑ってしまった。 「とりあえず、チュウとかしてみる?」 それは未央の緊張を解す冗談だった。なのにピクっと反応してテツの顔をじぃと見てくるのだ。 間近で見る未央は可愛い。 いつからか分からないけれど、直ぐ側にいた未央にいつしか恋心を持つようになってしまった。 自分でもおかしいと思う。 年頃の同級生達が女の子に興味を示すのに自分は未央を目で追ってしまうのだから。 「ちゅ、チュウってキスのこと?」 落ち着きなく聞いてくる未央の顔は赤い。 「他にあるのか?」 「ない……」 未央は更に顔を赤くしてテツを見る。 ちょっとおおお!!なんやそれ?キス待ちかよ?えっ?なんなん? 「キスって何やろな?キスしたい!!とかガッキーば見て騒ぎよる奴がおった」 「あー、ガッキー可愛いからな。年上に憧れるやろ?高校生男子やけん」 「テツは?テツも憧れる?」 「えっ?憧れんよ?ガッキーより未央が可愛いと思うし、キスしたいって思うのは未央やもん」 その言葉で更に顔が赤くなる未央。 「ガッキーの方が可愛いやん、あと、アイドルとか、俺、あんまアイドル知らんけど」 「アイドルは俺も知らん」 「テツは……なんで俺とキスしたかと?」 「好きやけん」 「好きって……俺、オトコ」 「また、振り出しの会話に戻る気や?お前、もう黙れ」 テツはそういうと未央の唇に自分の唇を押し付けた。 ちゅ、チュウうう!!!チュウしよう俺えええ!! 未央はプチパニック。 テツの唇は温かくてやわらかい。 あ、俺、乾燥してカサカサやん?大丈夫かいな?と何故か唇の心配をした。 そのうち、ぬるりと口内に何か入り込んできた。 !!!! なに?と思った。 ぬるりとしたものが自分の舌に絡んできたのだ。 「ふぁ……」 息が抜けるような変な声が出た。 その後にクチュクチュって音。 テツの腕の力が増してぎゅっと抱き締められる。その間もぬるりとしたものが絡みついてきた。 なに?なに?なに?これってなに? 頭が真っ白になる未央。

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