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第1話
『中学を卒業したら高校に行かずに働こうと思ってる』
そう弟に告げられた時は、ショックだった。
半年前に両親が他界。俺は大学への進学が決まっていたが、大学に行くのは止めて働くことにした。
しかし、所詮は高卒の新入社員。給料は15万で手取りは12万程度。日々の生活費、アパートの家賃を払うとお金なんて残らない。
弟はそんな俺を見かねての決断だったのだろうけど、正直俺は悔しかった。
中学生の弟に気を遣わせてしまった兄の無力さ、両親がいない分甘えさせてやりたかったのにそれが出来ない俺のちっぽけさ。
19歳なんて、所詮まだガキなのだと思い知らされたようで…。
このままではダメだと思った。
そんな時、ある公園でぼーっとしていると知らないおじさんに話しかけられた。
スーツを着た紳士的な優しそうな人。
『君、お金が必要なんだろう?私と一緒に来なさい』
なんて魅力的な話だ。と同時に、こんな上手い話がある訳ないと思ったが、この生活に限界を感じていた為、おじさんに着いていくことにした。
今でも後悔はしていない。大好きで大切な弟の為、大学まで行かせてやりたいし、お金に不自由な生活は終わりにしたい。
おじさんに提示された内容は
フェラ1回1万円
1回するだけで1万も貰えるのか、その時の俺の考えはこんな感じだった。
たぶん、もう正常な判断が出来なかったのだと思う。
おじさんは、初めてでヘタクソなフェラだったのに褒めてくれたし、1万円もきちんとくれた。
誰も居なくなった公衆トイレで、一人涙を流した。
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