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第53話
「えー!いい所だったのにここで終わり?!」
すっごくいい所で1巻が終わってしまった。続きが読みたければ買えということか…!
そりゃあ買いたいけど!今月も切り詰めて切り詰めて生活しているので、とても漫画を買うお金などない。漫画を買うなら食費に回すと言った感じだ。
仕方ない…諦めるしかないな。隣で蓮さんはスマホを操作して一言。
「ネットで全巻買った」
「え!?今ですか!?でも少女漫画ですよ?」
「俺も続きが気になるから。買うしかないだろ」
「俺も読みたいです!」
「一緒に読もうな」
意外と面白かったみたいで、蓮さんが全巻買ってくれた。やったー!これで続きが読める!
蓮さんも少女漫画とか読むんだな。まぁ俺が読んでいたから覗いていただけだろうけど、まさかそこまで面白いとは思っていなかっただろう。
「もう漫画はいいのか?」
「はい!満足しました! あ、ちょっとトイレ行ってきます」
「あぁ」
ちゃちゃっとトイレを済ませ戻ると、また蓮さんは周りに女の子をはべらせていた。普通のベンチに座っているだけなのに、何故あの人が座ると絵になるのか。まるでモデルのようだ。
まぁあんなかっこいい人が一人で居たら、女の子は黙ってはいないだろう。
心ではそう思って納得しているのだが。
俺と来てるのに…なんかムカつく。
「お一人ですかぁ? あたし隣座っちゃおー!」
「ずるーい!じゃあ私も!」
両サイドに女の子が座り、ガッチリと蓮さんの腕を絡めとり、わざと自分の胸に当てるようにしている。
ボインなお姉さんに囲まれて嘸かし嬉しいでしょうね!ムスッと頬を膨らませてその光景を遠くから見つめる。なんだか心がモヤモヤする。変なの。
ふと、自分の胸に手を当てる。ぺったんこで、全然柔らかくない。こんなの触っても嬉しくない。
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