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願うが

 ただ一つ、あいつに願うことは、その奇行をやめてほしいこと。  隙さえあれば俺に絡んで抱きついてくる。  そんな行動が俺には理解できない。 「おーい」  そして今もそれは行われている。 「……何かしているときは絶対するな。怪我をする」 「はーい。んー、ぽかぽか」  何度か拒んではみたものの、ずっとこの調子なので俺はすっかり諦めていた。  こんなにも誰かに温もりを求められることは、今までに経験したことがない。  突然の行為に驚きしかなかったが、徐々に慣れてきた。  誰かのためになっていることに嬉しいと思える俺の存在にも驚いているが、それだけ落ち着いていられているという証拠だろう。  俺は気付けばあいつに触れていた。 (この作品は第73回Twitter300字ssの企画に参加した作品です)

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