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リゲルとキサラギ
愛する父親と同じ性で嬉しい反面、ありとあらゆる面でベータやアルファより劣っているとされている性だと言う事実はリゲルを複雑な気持ちにさせた。
後日、リゲルを悲劇が襲った。
リゲルの最愛の父親であるハズキが不慮の病で他界したのだ。
リゲルは泣き崩れ唯一の肉親を失った悲しみに暮れ始めた。
同じ頃、キサラギは番になるオメガを探していた。
中年になっても番になるオメガに出会えていなかったキサラギはある日、墓参りに出かけた。
十字架がいくつも立っている墓地。そこで自分の身内の墓に花を備えたキサラギは刹那、墓の前で泣いている美青年に一目で心を奪われた。
男感のある美貌。黒真珠の様な瞳。漆黒の髪の毛。小柄だがモデルの様な体型のその美青年は刹那、自分を見つめる視線に気付いた。
「あっ」その時、キサラギの赤色灯の様な瞳を見た美青年は驚きを露わにした後、その顔を俯かせた。
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