珈琲のかぐわしい香りのする店内。 そこでキサラギと世間話をしているリゲルは時折その顔に笑顔を浮かべながら相槌を打ったりしている。 「ところで君は生活費はどうしてるの？」キサラギがふいに尋ねた。リゲルは「それは、父さんが残してくれた遺産でまかなっています。」と答えた。 「そうか、でも君も働かないと遺産で一生暮らす事は無理だろうし精神衛生的にも良くない」 「そうですね」 「…僕の家政婦にならない？」 「エッ」キサラギからの意外な提案にリゲルは驚きを露わにした。キサラギは少し前から家政婦を探していた。 「嫌ならいいけど」 リゲルは考え事をするそぶりをし始めた。 「…オレ家事くらいしか出来る事ないからやります」リゲルはそう言うとキサラギは「そうか、じゃあこれから僕の家に行こう」と言う言葉を発した。