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「... っ、ん... ぁ... きとさ... っ」
「ん?」
「ベッド... っ、行かないの... ?」
「... 久しぶりだから明るいところで響くんの全部が見たいなぁって。」
「やっ!やだ... っ!そんなの... っんん、」
「響くんも我慢できないでしょ?」
「でもぉ... っ!!」
ソファーに座る暁斗さんに股がった状態の俺は、スルリと入った手に撫で回されていた。
ここ最近、二日に一回のペースでエッチしていたのに、一週間も間隔が空いたんだ。
暁斗さんに触れられただけで、ムクリと俺の下半身は元気になる。
前は寂しさをゲームで埋めたけど、仕事で時間を潰していたからもちろんゲームなんてしてないし、それに一人でだってシていない。
完全に一週間、俺は性欲とかドキドキとか、そんなもの忘れていたはずなのに。
「あっ、あんっ、暁斗さん... っ!!」
「響くんのココ、もう苦しそう」
「っ、だって... !」
「... 脱がすね。膝立ちできる?」
少し触られただけで、こんなに暁斗さんが欲しくなるだなんて... 。
明るい部屋で、しかもソファーの上なのに俺は『もっと』とねだるように言われるがまま膝立ちした。
そうすれば暁斗さんがズボンと下着を下ろしてくれて、勢いよく下半身が飛び出す。
「...もうヌルヌルだね」
「んあっ!あ、やっ... 」
「嫌?嫌なら止めようか?」
「... っ、や、めないで... っ、」
「ふふ、いい子。素直な響くんにはご褒美あげなきゃね。」
「っ!!あっ、あああっ」
暁斗さんの掌に包まれ上下に擦られたり、先っぽを指の腹で撫でられたり、暁斗さんは俺の身体が悦ぶことをシてくれる。
忘れかけていたこの感覚は俺の全身をすぐに満たしてくれて、そして更なる気持ちよさを求めてしまい、俺は暁斗さんの肩を握りながら『おねだり』するように唇を重ね、自分からはあまりしない舌を絡める深いキスをした。
「... どうしたの?響くんからディープキスなんて... 」
「っ、だめ... ?」
「だめじゃないよ。... もっとして?」
「ん... ... っ」
いつもは暁斗さんの舌が主導権を握るかのように俺の口内を掻き回すけど、今日は俺がその主導権を握っていた。
暁斗さんを見下ろすキスなんて、多分することは滅多に無くて、そのせいかいつもより暁斗さんの表情が見える。
色っぽいのは勿論だけど、俺の舌の動きでピクッと眉が動いたり、目を細めたりする些細な仕草が分かるのが嬉しくて、唾液が溢れて垂れてることなんて気付かないくらい夢中で舌を絡めた。
「響くん... ... っ、」
「ふ、ぇ?」
「あー... っと、ちょっとストップ... 」
「なん... で?」
「... 積極的なのは嬉しいんだけど、俺も久しぶりだし... 色々ヤバイ。」
「え... ?」
そんな俺を止めた暁斗さんの顔はほんのり赤くなっていた。
あまり見ない、焦ったような... いや違う、辛そうな表情の暁斗さんは『はぁ』と大きく息を吐くと、『参ったな』と小さく呟いた。
「優しくしようって思ってたんだけどなぁ... 」
「... 暁斗さん?」
「こんな可愛い響くん見ると、苛めたくなっちゃう。どうしよう?」
「い、苛めたくなるって... ... ... 」
「ああ、前みたいな言葉が欲しいんじゃないよ?ただ... 」
「ただ... どうしたの... ?」
「... ... ... お願い、聞いてくれる?」
そう言った暁斗さんは『苛めたくなる』と言った割に自信の無さそうな顔をしていた。
疼く身体にストップをかけられて、このタイミングで『お願い』だなんて...
嫌な予感はするけれど、大好きな暁斗さんの『お願い』を聞けないわけがない。
「... ... うん」
小さく頷くと、暁斗さんは優しく微笑み抱き締めてくれた。
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