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「つっかれたぁ... ... ... ... ... ... 」
主任から別の仕事を預り、企画と同時に進めると定時はあっという間に過ぎていて、会社を出たのは21時を回った頃だった。
暁斗さん、遅くなるって言ってたけど... もう帰ってきてるかな?
夜ご飯を作る余裕はないけど暁斗さんに作ってもらうのも悪いから、軽くコンビニで食べ物を買ってから暁斗さんのマンションに向かうと、駐車場に暁斗さんの車は無い。つまりまだお仕事中。
合鍵を使い中に入り、買ってきた食べ物を少しつまみシャワーを借りてみてもまだ暁斗さんは帰ってこない。
23時近いのに... と、少し不安になってきた。
「んー... ... ... メッセージ送っとこうかなぁ」
俺も久しぶりの残業で眠たいこともあって、『お疲れさま、先に寝ちゃうかも』
って、暁斗さんが帰ってきたときに寝ていてもいいようにメッセージを送った。
ソファーでゴロゴロしたり、テレビを見ているうちに時計の針はぐるりと一周し、日付が変わる頃には俺の目も閉じかけていて。
暁斗さんには悪いけど、ベッドに入って一人で眠った。
... ... その日暁斗さんがいつ帰ってきたのか知らない俺は、翌朝も遅刻ギリギリで出社。
何故なら目覚めたときに既に暁斗さんは出て行ったあとで、テーブルには置き手紙が一枚。
『今日も遅くなる』
別にスマホのメッセージでもいいのに、わざわざこうしてくれるのは暁斗さんが帰ってきたって証拠みたいで嬉しくて、走り書きのその文字を見て今日も頑張ろうって思ったんだ。
忙しくても、全く会えないんじゃない。
今日は会えるかなぁ、なんて考えながらデスクでパソコンに向かう俺はまだ『大丈夫』って思ってた。
... ... だけど、この日も暁斗さんのマンションで一人で眠り一人で起きた。
目覚めるとテーブルの上に置き手紙はあったけど、二日間まるっと顔を見れなくて俺の気持ちは沈んでいく。
その翌日も、そのまた翌日も、残業して帰ってきて日付が変わるまで起きてるのにやっぱり暁斗さんには会えなくて... ...
ふとカレンダーを見れば、俺が最後に暁斗さんの腕の中で眠ってから一週間が経っていた。
休みがないってことはないはずだし、そろそろ会えるだろう、そう思って足早に暁斗さんのマンションに向かった日、駐車場に久しぶりに見た暁斗さんの車があった。
エレベーターのボタンを連打して、走って部屋の前に向い、焦りながら鍵を開ける、すると玄関には暁斗さんの革靴がきちっと並んでいた。
「暁斗さんっっ!!!!!」
はぁはぁと息を切らしながらリビングの扉を開けると、テーブルにノートパソコンを広げた暁斗さんが視界に入る。
「おかえり、響くん」
「ただいまっ!暁斗さんっ!!」
多分仕事中なんだろうけど、お構いなしにぎゅっと抱き付くと、暁斗さんも俺の背中に腕を回してくれた。
久しぶりに感じる暁斗さんの匂いと体温、それが嬉しくて俺の心がトクンと高鳴る。
「... ごめんね、中々会えなくて... 」
「大丈夫... 。ちょっと寂しかったけど、忙しいんだもんね... 」
「明日は午後から出勤だからちょっとゆっくりできるんだ。だから久しぶりに響くんを補充させて?」
「もちろん。俺も暁斗さん不足... ... 」
帰ったばかりだとか、シャワーを浴びてないだとか、もうそんなことどうでもよくて、俺は自分から暁斗さんに口付けた。
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