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第1話

「構って欲しいだけなのはわかる、でも、相手が嫌がる事をしちゃダメだ」 「なんの事?僕知らない!」 みんなで遊んでいる中、一人だけ呼ばれて叱られてしまった。 ショックだった。 手を出すように言われ、ピシッとシッペされた。 僕を叱ったのは、まだお若い、このお屋敷の主人だ。 この方の甥や一族の息子に同じ年頃の子供が多く、お屋敷の一室やお庭、納屋などが遊び場になっていた。 そしてその様子がどうやら、書斎で執務やお勉強をしていたこの方の目にも入っていたようなのだ。 そしてまた僕は、別の日の帰り際に呼び止められ、自室に呼ばれて叱られた。 膝に乗っけられ、お尻を叩かれたのだ。 ここいらじゃ子供を叱る時によくするお仕置きだった。 でも、甘やかされて育った僕はあまりこうやって叱られた事がなかった。 屈辱だ。 でも、あの人の膝の温もりから離れたくないと思ってしまった。 他のみんなが帰った後に二人きりで話せたのも、ほんのちょっとだけ嬉しかったんだ。 それから誰かに意地悪をするたび、あの人の膝の上でお尻を叩かれるようになった。 叱られるのはとてもショックだ。あの人に逆らうつもりもない。なのになぜか僕は以前より粗暴な子供になってしまった。 けど、ある時僕は膝の上で言われた。 「意地悪ばかりするようだと、もう、この屋敷で遊ばせないよ」 「やだ!」 暴れてあの人の綺麗な顔を引っ掻いてしまった。 身動きが取れないようにぎゅっと抱きしめられる。 「いい子にできたら、毎日褒めてあげるのにな」 じっとあの人の綺麗な顔を見る。 すると頬にキスをしてくれた。 「……いい子になる」 「そうか」 あの人は僕の頭をなで、いっぱいキスをしてくれた。 けど、僕は天邪鬼で、すぐには優しくなれない。 みんなと遊べば、やっぱり意地悪して……。 そんなある日、とうとうあの人に帰り際に呼び止められる事なく、そのままみんなと一緒に帰されてしまった。 もう来ちゃダメって言われるかもしれない。 僕は家に帰る気になれず、お屋敷に引き返して書斎の窓から中を覗いた。 あの人はすぐに気づいて僕を手招きしてくれる。 「どうした?」 「ごめんなさい。いい子になれなくて」 泣き出してしまった僕をあの人は抱きしめてくれた。 「もう来るなって言わないで。お仕置きをして、許して」 「少しずついい子になるよう努力できるかい、ニール」 「うん」 「じゃあ、今までより少しきついお仕置きで許してあげる。でもいい子になる努力をしなくちゃダメだよ?」 僕は裸でお尻を叩かれた。 服を着ていた時よりずっと痛くて、恥ずかしい。 そして、真っ赤になったお尻を鏡で見せられる。 「ニール、今度からちょっとでも意地悪をしたら、どんどんお仕置きがきつくなるよ」 それでも僕は毎日叱られた。 やった意地悪によってお仕置きは変わる。 一番嫌だったのは、窓辺で裸のまま四つん這いになって「悪い子でごめんなさい」と言いながら、自分で自分のお尻を叩かされた事だ。 ほんとうにみっともなくて、あの人の冷たい目が悲しかった。 そして、とうとう僕は、みんなと遊んで一つも意地悪をしないでいることができた。 本当は、ちょっとだけ迷った。 意地悪をしないと、あの人が部屋に呼んでくれない。 けど僕は意地悪をしなかった。もう来ちゃダメだって言われたくなかったからだ。 するとその日、またあの人に呼ばれた。 どうしたんだろう?気づかない間に僕は何かやってしまったんだろうか? 不安になった。 あの人は僕を抱き上げ、膝の上に向かい合って座らせた。 「今日はずっといい子だったね、ニール」 顔中に優しくキスをしてくれた。 そして、あったかい手でお尻をなでてくれる。 太ももも、背中もなでてくれて、ぎゅっと抱きしめてくれた。 「これからもいい子にできたら、こうやって褒めてあげるから」 チュ……とあの人の柔らかい唇が、僕の唇にふれた。 「ほんと?」 「もちろん本当さ」 僕は嬉しくなって、あの人の綺麗な顔に頬ずりをして、いっぱいキスを返した。

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