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第18話
「なら、オレとみずきも正式に付き合ってるわけじゃないし…」
ポツリと話し出すアキラ。
「はぁ?」
「みずきから告白されたけど、オレは断ったから、別に付き合ってないし、でもそれでいいっていうから恋人ごっこみたいな感じで…」
アキラも話しながらベッドサイドに座る。
「どういうことだよ?」
横になったまま首をかしげる。
「告白も、多分みずきは気の迷いだと思うし、オレのことも、そのうち飽きるはずだから…ヨシもそう思うだろ?」
あんな状況で、みずきは雰囲気に流されただけ、告白自体もどこまで本気なのかも分からない。
みずきの前で泣いてしまって…同情を引いたのも確かだから…
「まあ、俺もそうだと思うけど、」
「だから、みずきのことはしばらくそっとしておいて、多分オレたちは自然消滅していくと思う」
「…まあ、冷静になればみずきも分かるだろうしな…じゃ、寝るわおやすみー」
あくびをしながら、背を向けて寝る体勢になるヨシ。
「マジでここで寝る気!?」
「いいからお前も寝ろよ、相手するにしても病人相手じゃヤる気も起きねーわ」
本当言うと他人の広い家で一人きりで寝るのは心細いヨシ。
そんなそぶりは見せないようそうボヤいてアキラのベッドで目を閉じる。
「…病人じゃねーし」
ぽつりと言い返すアキラだがヨシはスルーする。
「もう、」
ため息をつきながらも、時間も時間だし、体調も悪いし早く休みたくて自分のベッドに潜り込み、ヨシに背中を向けて背中合わせで寝ることにする。
「こっち向くなよ」
一応牽制して、瞳を閉じる。
「へーい」
ヨシもどうやら眠気がきてるようで一言返事を返すとそのまま眠ってしまう。
成り行きで同じベッドで寝ることになったアキラとヨシ、お互い干渉はせず、仲良く一夜を明かしたのだった。
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