23 / 24

第23話

「お前昨日帰りのこと覚えてるか?」 「正直、何を話したかとか覚えてねーけど、お前に辱めを受けたのは覚えるよ」 「辱めってその言い方はねぇだろ、助けてやったのに」 歩けなくなったアキラを家まで運んでやったのに。 「はいはい、だから感謝してるって」 「本当かよ?」 「けど、別にオレがどうなろうがお前には関係ないんだから次から無視してくれたらいいから」 そうしてまた突き放すようにヨシにいう。 「その言い方はねぇだろ、知ってて何もしなかったらみずきに殴られるわ」 「言わなきゃわからないだろ」 「お前な、人の善意だろ!本当こんなひねくれやろーのどこがいいんだみずき!!」 またイラッとしながらいうが… 「謎だよな」 自虐的にクスッと笑って呟く。 「自分で言うか、ったく」 やれやれと息をついていると公園が見えてくる。 「着いた」 「自転車自転車!」 そうして公園に入って… ヨシは駆けって自転車を確認しに行く。 「どう?」 「オッケー、無事だった」 昨日置いていた場所にちゃんとあった。部品も取られてない様子で安心する。 「そ、良かった、じゃな」 軽く手を振って行こうとする。 「今からみずきのコンビニ行かねぇ?」 みずきの働くコンビニはもう少し歩いた先にある。軽く誘ってみるが… 「犬たちいるからいいわ」 行ってもいいけど、犬の散歩中でもあるし…ヨシと一緒に行くのがなんだか嫌だったので遠慮する。 「そっか、じゃまたな」 ヨシは自転車に乗り、朝食getのためコンビニに向かおうとする。 「ん、」 頷いていこうとするアキラに… 「あ、肉食えよー!」 ひょろいアキラに、手を振りながら念を押すヨシ。 「うるせ、早く行けよ」 冷たくあしらいながら… なんだかんだと一緒に過ごしてしまったヨシを見送るアキラだった。 【完結】

ともだちにシェアしよう!