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第5話
「はあ、はあ、はあ……」
全身をくまなく愛撫されまくって、俺の息は何度目かの絶え絶えになっていた。
やべえ所を何ヶ所か触られたけど、なんか変な感じ。これが男同士のセックスか……!
ていうか、今度は俺が花森のチンコを扱いてイカせるんじゃなかったっけ?俺の方は触られっぱなしなんだけど……。
「じゃあそろそろ本格的に後ろ慣らすからな。少し苦しいかもしんねぇけど我慢して」
「あい?」
何、我慢って。俺、今のいままでめいっぱい我慢……いや、してねぇな。気持ちいいとこ触られるたびにアンアン喘いでよがりまくってたけど。これ以上になんかあんのかよ?
つうか、何かやるなら俺の方だろ。さっきから俺ばっかりが気持ちよくしてもらってんだから……あーでも、今は身体に力が入んねぇ……。
「んひっ!?」
突然、さっきまでコチョコチョヌルヌルされていた俺のあらぬ場所……言いたくねぇがケツの穴にズニュンと何かが突き刺さって、俺は短く悲鳴を上げた。
「何なにっ!?ちょっ、俺のケツにいったい何が起こってるんだ!?」
「俺の指が入ってるよ」
「そっか、花森の指が……ええええ~~!?」
「茎田、ちょっとうるせぇ」
「ごめん……」
ってなんで俺が謝らないといけないんだよ!?……うう、気持ち悪い。
さっき花森が俺のケツにやたらとヌルヌルする液体をぶっかけてきたと思ったら、くにゅくにゅと穴の周辺を触ってくるからそんなとこ触るなよって言ったんだけど、あとで痛いからって言われてなんとなく怖くなったから好きにさせたんだ。
でもまさか指を突っ込むなんて!ソコは入れる場所じゃなくて出す場所だぞぉ!!
いや待て、そもそもナゼ指を突っ込む?
「なんで?」
「言いたいことは分かるけど、主語を付けろ。ナカに気持ちいいところがあるからだよ」
「ふーん」
それならまあいいか……いや、良くねぇよ!いくら気持ちいいところがあるからってそんな、自分でもケツ拭く以外に触ったことのない場所に他人が触るなんてありえなくねぇ!?
「なぁ……、あっ!?」
「このコリコリ触られると気持ちいいだろ?ここが前立腺ってやつ」
「え、なに!?ああっ!ちょっとまって、や、あぁっ!なにこれっ!?」
花森は俺のナカのイイトコロを見事に掘り当てて(?)的確にツンツンといじくってくる。
俺はチンコを擦られるよりもナカをいじくられる方が数段気持ちくて、善がりまくりの悶えまくりで、花森の名前を叫んだりシーツを掴んだり花森に抱きついたり花森に助けを求めたり、なんかもう色々わけのわからないことになっていた。
「あんっ!あんっ!きもちいいっ!!そこダメぇ!グリグリしないれっ!ひゃぁあっ!花森っ!たすけてぇっ!!」
「はー、はー……茎田、煽り過ぎだっつーの!もうダメだ、我慢できねぇっ……!」
何だって、我慢?なんで俺が全然我慢してないのに花森が我慢しなきゃいけねぇんだよ。
そんなの全然、平等じゃねえじゃん。
――俺は、叫んだ。
「ばかやろぉ!俺にここまでしといて、今更ガマンなんかすんなよ、花森!」
友達とセックスなんかしたくなかったけど……ここまでヤっちまったらもう何したって後の祭りだろ?
俺ばっかり気持ちよくて花森は我慢するなんて、そんなセックスはいやだ。
所詮童貞の知識だけど、セックスはお互いが気持ちよくならなきゃいけないんだよな。エロ本か何かで読んだ気がする。
「チッ……!もう泣き叫んだって途中で止めてやれねぇからな!」
「おう!」
俺は知らなかったんだ。
この時点でも俺たちはまだ『ックス』をしていない、ということを――……。
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