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第3話
目が覚めると、体が思うように動かなかった。
「おはよう、幸。」「おはようございます、爽さん。」爽さんは寝起きの僕をソファに座らせた。
「腰とお尻…痛いだろ?」「…。」
爽さんはクスクスと笑って僕を見た。
「ううう…。」
「今日は1日寝ときな。」
そう言われ、僕は目を閉じた。
目が覚めたときには辺りは薄暗くなっていた。
「…んぅ?…そぉさんどこぉ?…」
そしてふと頭に嫌な出来事が思い浮かぶ。
「やだ!お父さん⁉やめて‼痛いよぉ。」
さんざん殴られ冷たい冷水をかけられたまま、
冷房をかけ、家を出た。
「…ふんっ。さっさと家を出ろよ。」
そのあとどうやって生きて外に出られたのかはわからないけど、嫌なできるだけ忘れていた記憶がよみがえる。
グスグス泣いているとドタドタと爽さんが駆け寄ってくる。
僕をぎゅっと抱き締める。
「幸⁉大丈夫か?」
「…だいじょーぶ。僕、いいこにしてたから。」
そう言うと爽さんは僕の唇に軽いキスをした。
「ごめんな。少し佐東の所に行ってたんだ。
お腹空いただろ?ご飯作るから待ってろ。」
それから、またご飯を食べて一緒に寝て、そして寝るときは大事なネックレスを小物おきに置いた。
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