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HRが終わり、教室がざわめく中 ひとつ溢れる溜め息…… …帰りたくない 帰ったってろくな事がない 達哉のファンクラブか何か知らないけど 煩い女子高生が家の前に集まっているんだろう… その光景に苛ついた母が、僕をまた…… 「………」 机のフックに掛かった鞄を持つ キラキラと輝くようにはしゃぐクラスメイトから離れる様に、教室の後ろのドアへと向かう しかし、捻挫した右足首が痛くて 不自然な歩き方になってしまう… ひょこひょこと歩きながら廊下に出る と、こちらに颯爽と向かってくる人影に気付く 「…工藤」 顔を上げると、それは担任だった 相変わらず僕を見下した様な軽視した目付きで見る そして空き教室に入る用、顎で指図をする その態度に無性に腹が立ち、下から睨み付けた 「………」 教室に入る と、担任は手にしていた日誌を教卓に置いた そして僕の方に向き直る 「いきなり本題を言う」 そう言うと、僕の方に右手を伸ばし 僕の襟を掴んで引っぱった 「……!」 「これはなんだ」 左の首元を見られ 昨日達哉が付けたものだと直ぐに気付き、手で覆った

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