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バンッ その時ドアが勢いよく開かれた 驚いて見ると そこには……… 「汚らわしいっ!」 母が鬼のような形相で立っていた そして大股で部屋に入るなり、達哉をどかすと僕を掴み上げ そして…… バシッ 全身を使って振り切った平手打ち 頬がじんじんと熱く腫れていくのがわかる 「達哉の成績を下げた原因は、あんただったのね!」 …ごめんなさい 許して、お母さん 五才の僕が現れ、瞳から涙が零れる 「違う!…俺が若葉を…」 「達哉は黙ってなさい!」 母が達哉を一喝する 「…よくも達哉をたぶらかしてくれたわね…この悪魔!」 再び母は僕を掴み上げる そして、Tシャツ一枚の格好のまま、外に引きずられる 「そんなにシたいなら 他所でやりなさい!」 玄関から押し出され 僕は道路に倒れる 「母さん…!」 達哉が慌てて母の後を追いかけた 「…あなたは、惑わされただけよ…… あんな子がいなければ、達哉は良い子なの……」 そう言いながら、母は玄関のドアを閉めた 「………」 パンツも履いてない… Tシャツ一枚で ……僕は、捨てられた

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