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幼な妻な梓は愛しのダーリンの帰りをおうちで待ち侘びていた。
「ただいま、梓」
「あっ、おかえりなさぁい、ダーリン!」
台所で晩御飯の支度をしていた梓はぱたぱた玄関へ。
愛しのダーリンこと和幸 (26歳/役所窓口勤務/一見極フツメン)はやってきた幼な妻の格好に目を見張らせた。
「どう? 似合うっ?」
梓は夏セーラー服を着てJK……いや、どちらかと言えばJCコスプレをしていた。
呆然と突っ立っている和幸の前でふわりと回る、短いプリーツスカートが翻ってむちむち太腿丸見え、あとちょっとで水玉パンツが見えそうな。
それを見た和幸は、たはは……と苦笑い。
「梓、誰か来たらどうするの、それじゃ出れないでしょ……」
あれぇ? 反応イマイチ?
この間、宅配のお兄さん+近所のお兄さんと浮気Hしちゃったの、ばれちゃって。
でもダーリン優しいから「もうしちゃダメだよ」の一言で僕のこと許してくれた、だから。
ダーリンが好きそぉなコスプレしてみたんだけどな。
「いい匂い、俺の好きな酢豚?」
「あっうん! パイナップルもいれたよぉ……」
これ、ぜんっぜんだめだぁ、よーし、ダーリンに喜んでもらえるよう次がんばろぉっと!
「おかえりなさいにゃん、ダーリンっ」
フリルいっぱいのメイド服に猫耳+尻尾、ねぇねぇ、かわいいでしょっ? これならダーリンもイチコロだよねっ?
「ただいま、梓、今日のおかず何かな」
「えっ……カキグラタン、だぉ」
「おお、ビールが進みそう」
にゃんにゃんメイドにまさかのスル―だなんてぇぇ、ダーリン、てごわぃぃ!
うん、でもね、わかってたの、僕。
ダーリンは見た目すっごくノーマルそうだけど、ほんとは「ど」がつくくらいの変態だから。
こんな誰でもしそうなコスプレで喜んでくれないこと、ほんとは予想してたの、でもしてみたの、もしかしたらいけるかなぁ、って。
ダーリン、甘く見てごめんね?
僕、本腰いれちゃうね!
「ただいま、梓……」
「おかえりなさい、ダーリンっ」
どさっ
「あ、梓、その格好……」
「どう? 似合うっ? えへへー」
出迎えにやってきた幼な妻を目の当たりにするなり、和幸は通勤鞄を思わずその場に落としてしまった。
紐付きの黄色い帽子。
二つに結ばれたねこっけ茶髪。
白い襟のついた水色スモック。
名札。
白いハイソックス。
ご丁寧に名前が書かれた、爪先が赤い内履きシューズ。
黄色い斜め掛けバッグ。
一目瞭然だった、それが女子幼稚園児、つまりJYコスプレであることは。
「さすがにムリあるかな……?」
くるりと回ってみせた梓、スモックの下は水玉パンツ以外何も身につけていない、眩いばかりのむちむち太腿が水色の裾から常にモロ出し状態だ。
パーフェクトな幼児体型で見事着こなしている。
そんな幼な妻に、和幸は、
「きゃっ!」
「……完璧だよ、梓」
慌ただしく靴を脱いだ和幸は梓をお姫様抱っこした。
やったぁ、今日のおかずのことも聞かないで真っ先に抱っこしてくれたぁ!
ロリ好き変態ダーリンには幼女コスプレがやっぱり効果てき面だったね!
「ダーリぃン……」
「ほら、もうねんねしないと、ね? あずたん?」
ど変態スイッチがすっかりONになっている和幸、恐ろしいくらい爽やかに微笑んで幼な妻を寝室へ。
「そっか、あずたんは桃組なんだね」
「うんっ」
「ほら、ベッドに横になろうね?」
「ねぇねぇ、ダーリン、」
「かずたんって言って、あずたん?」
「……かずたぁん、添い寝してぇ……?」
ベッドに横になった梓は和幸のスーツの裾をきゅっと掴み、スタンドライトの明かりの元、上目遣いにダーリンをじぃっと見つめた。
和幸は黄色い帽子越しに幼な妻の頭をそっと撫でる。
「甘えんぼうだなぁ、あずたんは」
スーツを脱ぎ、ネクタイを緩め、和幸は梓のすぐ隣に寝そべった……。
「んぁぁ……ん、はぅ、はぅ、はぅぅ」
「あずたんはワルイコだね、大人を誘惑してくるなんて」
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