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36-12
日が傾いて薄暗くなったワンルーム。
夕暮れの冷気が部屋に沈殿しつつある一方で二人の体温を孕むベッドの上は過剰な熱を保っていた。
「……おれ、比良くんのこと、憧れた……」
ナカに長居するペニスをアソコ全体でジンジン痛感しつつ、柚木は、乱れた前髪が凛然とした眼にかかっていつになく色っぽい比良をおずおずと見つめた。
「誰よりもかっこよくて、硬派で、男前な比良くん、いいなぁって……ずっとそのままでいてほしいなぁって……あの神社でも……比良くんが幸せになりますようにって、お願いした……」
「そんなお願いしたのか?」
あ、やば……。
家族でもあるまいし、人の幸せ何勝手に願ってんだコイツって、猛烈にヒかれたんじゃ……。
「嬉しい」
比良は照れたように笑った。
いつまでもガチガチな絶倫ペニスで自分のアソコを抉じ開けて好き放題、意のままにしておきながら。
純朴そうな爽やか笑顔。
辛抱たまらん悶絶ギャップに柚木はどばっっと汗をかいた。
「や……やめて……それ反則……ギャップ禁止……」
懸命に閉じようとしていた両足の膝を掴み、平然と左右全開にして。
比良はまっかっかになっている柚木に見惚れた。
多くの生徒の憧れの的になった男前男子。
でも、高校三年間、本人には後悔しかなかった。
ずっと同じ教室にいたのに気になる相手とうまく話ができなかった。
部活で忙しく放課後に遊びにいくことも。
属するグループが違い、学校行事を一緒に楽しむことさえ、できなかった。
だから。
彼の志望する進路を教室でさり気なくリサーチし、担任にもそれとなく探りを入れ、情報を確たるものにすると同じ大学、同じ学科を第一希望に掲げた。
『柚木も来ないか?』
卒業旅行に彼を誘った。
高校生活では自分のものにできなかった特別な繋がりを今度こそ手に入れたくて。
それが。
『男なのに、おれ、女の子のモノで感じてる……?』
まさかこんなことになるなんて。
「柚木のナカ、ずっと気持ちいい……」
仰向けの柚木にぴったり覆いかぶさった比良は器用に腰だけを波打たせていた。
掬われた柚木の両足がさっきからずっと空中でガクガク揺れている。
脈打つペニスが小刻みに出入りするアソコからは泡立つ比良エキスがとろとろ漏れ出し、お尻の方にまで伝っていた。
「柚木は……?」
お腹の底をアップテンポでノックされる。
膣壁が押し合い圧し合い状態のナカをこれでもかと掻き回され、露骨な快感を惜し気もなく与えられる。
「柚木もずっと気持ちいいか……?」
やむを得ず比良にぎゅっと抱きつき、なだらかな背中に爪を立てていた柚木はコクコク頷いた。
「きもひ、い……けど……」
「けど?」
「も、これで最後に……もぉ、外、まっくら……」
「今日は泊まっていけばいい」
「ひぇぇ……」
射精 して、ナカで即座に回復して、射精 して、またナカでしごかせて一段と硬くして。
こってり濃い比良エキスが絡むに絡んで、怖いくらい限界奥までペニスがずぶずぶ突き入れられて。
突き当たりの窄まりをやたらゴリゴリっ、グリグリっ、された。
「お、奥……やばぃ……っ」
中毒性の高い合法ドラッグじみた恍惚感に柚木は甘く切なく痺れながらも。
「ぅ、ん、ぅ、ぅ、ン……っ……おれ……泊まんないよ……? ウチ、帰る、から……っ」
ずっとずっとずーーーっと比良に突かれっぱなしで、アソコがゆるゆるおばかになってしまいそうで、ちょっと怖くなってきた。
「……痛い? きついか?」
横長の枕に預けていた、この数時間でボっサボサになった頭を大きな掌で優しく撫でられた。
怖くなってきたはずが、それだけで、柚木の胸もアソコもキュゥゥゥ……っン……、してしまう。
「ッ……俺の、柚木に食べられそう」
「っ……っ……ああっ、もぉっ……暴走して噛みついても知んないぞ……っ」
「柚木のココ、噛みつくのか……? いいよ……? 柚木になら俺を丸ごとあげる……」
いっぱいグチュグチュされながら上擦る囁きを鼓膜にダイレクトに注ぎ込まれて柚木は感極まった。
引き締まった見栄えのいい体躯の下でのたうった、目に見えて悶絶した薄っぺらな肢体。
比良の腹筋にぬるぬる擦れていた童貞ペニスがびゅくびゅくと白濁を弾いた。
「ん……柚木……ッ」
感度のよすぎるアソコにぎゅうぎゅう搾り込まれて間髪入れずに比良のペニスも達した。
まるで底つくことを知らないかのように、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、こってりとろとろ濃厚エキスを柚木に大量抽入した。
結合部にどぷりと滲んだ白濁泡。
こぽ、こぽ、次から次に溢れ出た。
「っ……? っ……っ……っ……? 比良くん……で、ですぎ……修行でもしてた……? 山ごもりかなんか、禁欲生活でもしてた……?」
すっかり夜の帳が下りた窓の外で「カー」とカラスが鳴いたような。
「ぇ……まだいるのかな、あのカラス……こわ」
「なぁ、柚木……ココが満杯になったらコッチで……いいか?」
「ぁっっ……っ……満杯とか、こわいって……ソッチも絶対やだ……こわすぎる……」
「……」
「わ、わ、わ、指いれちゃだめ……っ……お尻の穴さわんないで……っ」
「入学祝いに、コッチの処女、俺にちょうだい……?」
「っ、いやだっ、お尻の穴まで管理しなくていい……っ」
比良は火照る下半身同士を未練たらしく擦り合わせて愚図る柚木を覗き込んだ。
「俺のこと幸せにしてくれないのか……?」
「……幸せにするの、おれじゃないよ……それの担当、神様だよ……」
「柚木を管理することが俺にとって最上級のキャンパスライフになるのに……?」
……そんなしょーもないキャンパスライフ、比良くんに送ってほしくない、おれ……。
「まさかこんなことになるなんて」
何の前触れもなくある日突然アレを授かった不運を柚木は嘆いて。
「まさかこんなことになるなんて」
想像もしていなかったレアな幸運に比良は密やかに狂喜した……。
バックバージンは死守したものの、結局、柚木は比良のおうちにお泊まりすることになった。
「……比良くんってウチの大豆に似てる……」
クタクタで、もう抵抗する気力も殺がれて、ペパーミントが香る浴室で比良といっしょにお風呂にはいった。
「大豆?」
「……うん、ウチの飼い犬……さみしがりやの、あまえんぼ……あ、なんかごめん……ふわぁ……うん……?」
居心地のいい胸板に背中を預けてウトウトしていた柚木は、ふと手首をとられて首を傾げた。
「……ひっ……?」
べろり
手の甲を舐められた。
驚いて振り返れば、まだ名残惜しそうに指を舐めている比良と視線が重なった。
「俺の方が甘えるの上手だと思うよ……?」
……比良くん、なんで大豆に対してマウント取ろうとするんだろ……。
「お手もおかわりも上手にできる」
「ひっ……比良くん……そーいうの金輪際やめて……」
「ワン」
「ひぃぃっ……むりむり、むりすぎ……っ」
「でも柚木の方が首輪とか似合いそうだ」
「ほんとむり……やめてください……」
隠れ執着属性の男前男子(絶倫)に溺愛されていることに気づかない、そんなことあるわけないと妄信している、可哀想な平凡男子。
「柚木に似合いそうなの、買ってみた」
「……うそでしょ、比良くん、おれ、いい加減ドン引きしてもいい……?」
首輪ならぬ過激な愛情にしっかり繋がれて毎日途方に暮れちゃうのだった。
end
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