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第29話 間接キス

先生…苦しそうだ。 僕はチラッと彌先生の顔を見た。 その瞬間、僕の顔はカッと赤くなったと思う。 彌先生の色気がハンパないんだもん‼ 勃ちあがったアソコのせいか、フェロモンを過多気味に供給しているのか、尋常じゃない。 ただでさえ居たたまれなかったというのに、余計に居心地が悪くなる。 出来るものなら部屋を出て叫んで走り回って、子どもの布団に頭から隠れたい‼ 「…あ、あの。よかったら、…僕の飲んで下さい」 震える手でコップを差し出した僕に、彌先生はフッと笑った。 「ありがとう。これで、気持ちも落ち着くかな?」 これまた艶めいた表情でコップを受け取ると、ひと口飲んだ。 「はい、ありがとう。返すよ。先生も喉乾いてるだろ?ほら飲んで」 「あ、…は、い」 受け取ったコップをつい、マジマジと見つめてしまう。 これって、飲んだら間接キ…いやいやいや。 考えすぎ、考えすぎ。 反対側から飲めばっ…ていっても今から持ちかえるのも不自然だし。 第一に液体に彌先生の唇が触れてる時点で間接どころか、体内に取り込まれていくんだから‼ うう~脳みそが…。 と思いつつも何だか彌先生の色気に当てられたせいか、どうも思考が変な方へと傾いていく。 彌先生を見ると何故か僕の事を微笑みを湛えて見てるから、飲みづらい。 カッコいい…。 なんでか飲みづらい。 本当に、ただ飲むだけなのに意識してしまう。 友だちとの回しのみとかの経験も無いからだろうか? 変な感じがする。 「どうかした?」 「いいいい、いえっ、何でもないです~っ」 僕は苦笑いを浮かべながら、飲まずにコップをそのまま置いた。 喉は渇いてる。 だけど、今はいい。 こうなったら、おやつのシューアイスを食べよう。 僕は飲まずに、そのままコップを置いた。

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