29 / 33
第29話 間接キス
先生…苦しそうだ。
僕はチラッと彌先生の顔を見た。
その瞬間、僕の顔はカッと赤くなったと思う。
彌先生の色気がハンパないんだもん‼
勃ちあがったアソコのせいか、フェロモンを過多気味に供給しているのか、尋常じゃない。
ただでさえ居たたまれなかったというのに、余計に居心地が悪くなる。
出来るものなら部屋を出て叫んで走り回って、子どもの布団に頭から隠れたい‼
「…あ、あの。よかったら、…僕の飲んで下さい」
震える手でコップを差し出した僕に、彌先生はフッと笑った。
「ありがとう。これで、気持ちも落ち着くかな?」
これまた艶めいた表情でコップを受け取ると、ひと口飲んだ。
「はい、ありがとう。返すよ。先生も喉乾いてるだろ?ほら飲んで」
「あ、…は、い」
受け取ったコップをつい、マジマジと見つめてしまう。
これって、飲んだら間接キ…いやいやいや。
考えすぎ、考えすぎ。
反対側から飲めばっ…ていっても今から持ちかえるのも不自然だし。
第一に液体に彌先生の唇が触れてる時点で間接どころか、体内に取り込まれていくんだから‼
うう~脳みそが…。
と思いつつも何だか彌先生の色気に当てられたせいか、どうも思考が変な方へと傾いていく。
彌先生を見ると何故か僕の事を微笑みを湛えて見てるから、飲みづらい。
カッコいい…。
なんでか飲みづらい。
本当に、ただ飲むだけなのに意識してしまう。
友だちとの回しのみとかの経験も無いからだろうか?
変な感じがする。
「どうかした?」
「いいいい、いえっ、何でもないです~っ」
僕は苦笑いを浮かべながら、飲まずにコップをそのまま置いた。
喉は渇いてる。
だけど、今はいい。
こうなったら、おやつのシューアイスを食べよう。
僕は飲まずに、そのままコップを置いた。
ともだちにシェアしよう!