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第30話 溶けたアイス
アイスを口にしながら、僕はチラッと先生を見た。
すると、どこか悩ましい色っぽい表情で僕の食べる様子を見ていた。
ちょ、先生やめてください!そんな目で見るのは!!
僕は彌先生の無駄なフェロモンを浴びて、アワアワしてしまう。
こんなイケメンに色っぽい顔でじっと見つめられて、アイスを呑気に食べられる根性は、さすがに持っていない。
背中に変な汗が伝うのを感じた。
「あっ、あぁ…っ!!」
そんな僕は集中力を欠いてしまっていた様で、気がつくとアイスが溶けてズボンの上にボトリと落ちてしまった。
「はっ、おっちょこちょいだなぁ…フッ」
慌てる僕をよそに、彌先生が小馬鹿にした様に笑った。
そんな先生の口調が信じられなくて、思わず耳を疑った。
今の先生、だよね?
なんだか、先生のイメージが…。
気のせいかな、なんて動揺を抑えて僕は先生の顔を見た。
「ここにも付いてる」
そう言いった先生の顔がアップになってきたから、信じられないという思いで目を見張った。
そんな僕の上に、先生が覆い被さってきた。
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