30 / 33

第30話 溶けたアイス

アイスを口にしながら、僕はチラッと先生を見た。 すると、どこか悩ましい色っぽい表情で僕の食べる様子を見ていた。 ちょ、先生やめてください!そんな目で見るのは!! 僕は彌先生の無駄なフェロモンを浴びて、アワアワしてしまう。 こんなイケメンに色っぽい顔でじっと見つめられて、アイスを呑気に食べられる根性は、さすがに持っていない。 背中に変な汗が伝うのを感じた。 「あっ、あぁ…っ!!」 そんな僕は集中力を欠いてしまっていた様で、気がつくとアイスが溶けてズボンの上にボトリと落ちてしまった。 「はっ、おっちょこちょいだなぁ…フッ」 慌てる僕をよそに、彌先生が小馬鹿にした様に笑った。 そんな先生の口調が信じられなくて、思わず耳を疑った。 今の先生、だよね? なんだか、先生のイメージが…。 気のせいかな、なんて動揺を抑えて僕は先生の顔を見た。 「ここにも付いてる」 そう言いった先生の顔がアップになってきたから、信じられないという思いで目を見張った。 そんな僕の上に、先生が覆い被さってきた。

ともだちにシェアしよう!