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第33話 腰に甘い痺れ
そのまま吸い付くと甘く噛んだりしてくるものだから…だから僕は…。
「あんっ…んっ」
漸く解放された時には甘い痺れが沸き起こり、腰が抜けている状態になっていた。
正確に言えば、イッてしまっていた。
あまりの気持ちよさに、そして久し振りの快感に背筋を一気に走り抜けた快感を受けて、僕は熱を帯びた体をピクピクと痙攣させていた。
き、気持ち良かった…。
もうダメだ。
意識が変…。
初めてのキスとはいえ…キスだけでこんなになるなんて…。
「今、僕、先生と…?」
彌先生と本当にキスしちゃったの?
僕のファーストキス…。
そんな快感にピクピクしている僕を見つめながら先生が嬉しそうに笑った。
「君とのキスって癖になりそうだ」
だけど僕は先生が何を言ったのか全く理解できなかった。
快楽に脳が麻痺していたんだと思う。
「おいっ、大夢くん?」
様子がおかしいと気がついたのか、先生が心配そうな表情で僕の顔を覗いてきた。
その先生の姿さえも揺らいできて…あれ?
唇に甘い味を感じながら、僕の意識は次第に遠退いていくのだった…。
あ。
気持ちいいなぁ。
ひんやりした冷気が額に感じられて、僕はぼんやりとしたまま重い瞼をゆっくり押し上げた。
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