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第32話 甘いキス

「うわっ、ちょっと結構です!離して下さいよ~」 「うるさい子だなぁ。静かにしないと、子どもが起きる」 抵抗する僕に、彌先生が仕方のないヤツだなぁと呆れた様な小馬鹿にする顔で笑った。 そして僕の頬を両手で挟むと、自分の方へと無理矢理向かせた。 こんなの彌先生じゃない。 目の合った彌先生は、不敵に笑った。 「ひっ!?」 怖いよぅ…。 思わず声にならない悲鳴を上げた僕に、先生があやすように頬を撫でた。 かと、思ったら。 チュッ 「ん…っ?!!」 突然。 キスしてきたんだ。 「んんっ?!」 驚いて離れようとする僕だけど、彌先生がそれを許さない。 これはどう考えてもキスだった。 唇と唇が合わさっていて、熱い。 「んふっ、…ぁ」 さっき食べたアイスのせいか、酷く甘いキス。 「はぁ…っ、ん、むっ」 僕の唇を啄むと、次には息継ぎをした口の隙間へと熱いものが入り込んできた。 「んんっ…?!」 それは僕の中に入ってくると、無遠慮に口腔内を掻き回していく。 上顎を撫でられ歯列を舐め回して、次に僕の舌を捕らえると、絡め取ってきたのだった。

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