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第14話

「煽ってるだけだよパパ。もうこんなに溢して」 「ゃ・・・っ、言わないでっ」 窄まりのシワを丹念に舌で舐められ、性器に絡めた長い指の愛撫に歓喜の涙を流す湊斗。 「ん・・・っあ・・・」 自分の全部が息子のものになっていくと思うと言葉に出来ない快感と悦びが込み上げてくる。 誰かに見られてしまいかもしれない羞恥心はいつの間か頭から消えていた。 「渉の・・・頂戴。全部、欲しい・・・」 「ここじゃあパパが恥ずかしいだろ?場所変えよう」 「ここで・・・いいから」 湊斗は頬を真っ赤に染ながら手摺にしがみつき、渉に見えるように腰を高く掲げた。 渉は予想外の事に面食らったものの、目を細めにっこりと微笑み返した。 「そうだね。パパは俺のものだって見せ付けてやらないと」 脊椎に沿って手を滑らせ臀部を優しく撫で、猛りたつ雄を双丘に近付けさせていく。濡れた蕾を亀頭でぬるりと擦りあげると、ぐっぽりとナカに挿っていった。 「っは・・・っ」 苦しさに息が詰まり顔を歪める湊斗。渉は気遣うように動きを止めた。 「全部渉のものにしていいから・・・だから平気」 「分かったよ。パパを傷付けたくないから、息をゆっくり吐いて」 渉は細い腰を抱え直し、ゆっくりと身体を沈めた。 「渉・・・わた・・・る、あぁっーー」 想いの全てを込め名前を呼ぶと、穿たれている熱がぐんと嵩を増し、体の中が恋人のもので一杯になる。 「パパ」 「渉・・・ああっーー!あ、つん、ぁ・・・」 無意識に煽ってくる父親にすでに余裕がなくなっている渉。堰を切ったかの様に激しく腰を打ち付け始める。揺さぶられ、大きく抜き挿しされ、奥まで一気に貫かれ、湊斗はひっきなしに喘いだ。 渉の両腕が伸ばされ手摺を掴んでいる湊斗の手に重ねるとぎゅっと握り締めた。 「あっーー深い・・・ァーー」 より一層繋がりが深くなる。快楽を追いかけ、恋人が与えてくれる熱を求め身体をくねらせると、口付けが唇に触れ、息まで貪り合いながら夢中で口付けを交わした。 「あぁ、俺も・・・湊斗、愛してる」 「パパもだよ、渉」 パパでなく名前を初めて呼ばれ、湊斗は無上の幸せを感じ、そして涙した。 くちゅくちゅという淫猥な音と共に、二人の荒い息遣いだけが、いつまでも夜の静寂に響き渡っていた。

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