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第106話
「そんなとこっ、触んな、あ」
「いや触るでしょ、ちゃんと解しとかないと」
「解すって……」
そこはキュッと固く締まったまま。女の子とはわけが違う。兄さんの時どうしたっけ。考えながら、中指の腹でゆっくりと撫でるように触り続ける。
「やめて……っ、ねぇ」
震えながら軽く爪を立ててくる。全然怯まないくらいの軽い痛みが走る。やめる気なんてさらさらなくて、空いてる方の手で軽く上を向かせた。
「ちょっと黙ってて」
おしゃべりな唇をそのまま唇で塞ぐ。喘いでるのもかなり可愛いんだけど、解すほうに集中したいから、少し黙っててもらうことにする。
「んっ! ぅ、んんっ」
杭を打つように舌を滑り込ませて、彼の口腔内を舐め上げる。穴を解す手も怠らない。俺こんな器用だったっけって思いながら。
こんなところ触られたこともないだろうから、いくら揉んでも擦ってもなかなか解れない。必死で兄さんの時を思い出す。いつになく頭をフル回転させて当時のことを思いめぐらすと、あのとき兄さんが自分で解してたのを見て興奮した事実にぶちあたった。
(あそっか、ローション使ったんだっけ)
石鹸くらいじゃ解れるわけもない。パッと唇を離して、浴びっぱなしのシャワーを止めた。
「続きはベッドでしよ」
俺もすっかり頭からつま先までびしょびしょ。体を拭くのも煩わしかったけど、そこは我慢して、丁寧に彼と俺の体を拭いていく。
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