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第1話

※これはお遊びで書いたSSを元に作った短編です。  元になったのは表紙になっているSSです。  だましあい1とほぼ同時期に書いたものです。 大学の入学オリエンテーションでそいつに会うた。 一目見て、好みやと思た。 色白で細身のそいつは、目が大きくてくりくりした感じがかわいかった。 ちなみに男や。 大阪からの新入生は俺とそいつくらいやったから、すぐに話をするようになって、同じサークルに入ることになった。 映画研究会っちゅう名前の、映画見て遊びにいくだけのお気楽なサークルや。 そいつは大阪弁特有の語尾上がりのやわらかな「僕」という一人称のせいか、くりくりお目目のせいか、いつの間にか女子からはウサギちゃんてあだ名をつけられていた。 女子は内緒にしとったようやけど、そいつはちゃんと気ぃついとって、それでも文句も言わんとにこにこしとるような男やった。 「僕、この映画めっちゃ見たかってん」 60年代の古い映画をそいつは喜んで、俺はその笑顔に心臓を撃ち抜かれまくりや。 夏休みに帰省した時、何本も持ち帰ってきた映画を餌に誘てみたら、ほくほくと俺の部屋にやってくる。親父の趣味に感謝したんは初めてや。 なあキスしたりしたらやっぱマズい? 俺の妄想ではめっちゃメロメロになって応えてくれるねんけど。 でもそんなことはおくびにも出さず、ええ友達のふりをして、ドキドキしながらそっと肩に手を回すんが精いっぱい。 なあ、そないに無防備なんは俺をだたの友達と思てるから?  それとも少しは気を許してくれてるから?

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