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第2話

あいつが僕に惚れてることは、すぐにわかった。 僕をかわいいなんて思てることも。 けど悪いな、僕はそないに簡単な男やない。 可愛がられるのも悪うないけど、僕はそういう趣味はないねん。   僕の好きな古い映画をたくさん持ってきてくれて、何度か部屋に遊びに行ってかなり親しくなった頃、地元の祭りに誘ってみた。 あいつは僕の出身地を聞いて、口をあんぐり開けてたけど。 それでも祭りにはやってきた。 目の前で見ただんじり祭りの激しさに、言葉もなく呆けた顔がめっちゃかわいい。 祭りの興奮が醒めないまま、ぐっと引き寄せて貪るように口づけた。 「え、なに、なんで?」 あいつはぽかんとして僕の汗まみれの法被を掴む。 「僕、初めて会うたときから、ずっと好きやったで」 今度は目を丸くして、ええっと叫んで口を押えた。 顔が真っ赤や。ホンマかわいいな。 「悪いな、僕、バリバリのタチや」 耳元でささやいたら、あいつは額を押さえて「マジか…」と呻いた。 覚悟しときや、今夜、もらうで。 完 最初からウサギが攻め設定で書きました。 こういう短編も楽しいのですが、読んでる方はどうなんでしょ(笑) 萌えます?

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