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第3話

「さっきからふたりして、変なことばかり言って。おかしいよ」  右胸に顔を埋めかけていた怜司が動きを止めて首を伸ばし、僕を見上げる。僕からの苦情を聞いているハズなのに目が合うと、なぜか笑いかけられた。 (――どうして怜司は、そんなに嬉しそうな顔ができるんだ?) 「怜司?」 「全然おかしくない。俺は龍が好き。ずっと好きだったんだ」 「俺も龍が好きだよ。俺のでイキ狂いさせたいくらいにね」  怜司に続いて、浩司兄ちゃんまで変なことを言い出したことに驚き、僕はふるふると首を横に振りながら、大きな声で告げた。 「僕はそんな感情でっ……ンっ!」  唐突に右胸を怜司に吸われ、ゾクリとしたものが背筋を伝った。浩司兄ちゃんに羽交い締めにされていたが、なんとか上半身を動かして抵抗を試みる。 「怜司やめろ。こんなこと、僕は嫌だ」 「そう言ってるけど、躰は正直に反応してる。アソコも乳首も固くなってる」  舌先を器用に使って、陥没してる僕の乳首をぐりぐり責められると、下半身が妙に疼いた。 「怜司、スラックスも脱がしてやれよ。キツそうに見える」 「ホントだ。今解放してあげる」 「やだ、脱がさないで。これ以上なにもしないで……」  僕の叫びも虚しく、あっけなくベルトが外され、スラックスと一緒に下着が膝までおろされる。痛いくらいに張り詰めているのをふたりの目に晒されて、恥ずかしさに涙が滲んできた。 「なぁ龍、気づいてないだろ」  浩司兄ちゃんが耳元に顔を寄せたと思ったら、僕の背中に密着した。 「龍が暴れるたびに、俺のがどんどん大きくなっているってこと」 「えっ?」 「怜司にエロいことされて、おまえが抵抗するたびに、俺のに何度も当たって、すっげぇ刺激されちゃってさ。こんなになってるんだわ」  喜びを含んだ口調で言って、腰骨に固くなったモノを押し当てるなり、上下に擦りつけられた。 「ヒッ!」 「コレを龍のナカに挿れて、もっともっと感じさせたい」  浩司兄ちゃんは、僕の首筋に舌を這わせた。味わうように皮膚をべろべろ舐められるし、胸は怜司が吸ってるしで、どんどん変な気分になっていく。 (抵抗するのに動いたら、浩司兄ちゃんを刺激してしまう。だけど動かなかったら怜司に好き勝手されるし、本当にもう嫌だ……) 「兄貴、そろそろベッドに移動しよう。龍の抵抗がなくなっているからこそ、もっともっと感じさせてやりたい」 「そうだな。俺も龍のをしゃぶりたいし、イくところが見たい」 「手錠用意するから、ちょっと待ってて」 「手錠!?」  怜司が発したセリフにぎょっとしたら、躰を拘束する浩司兄ちゃんの腕の力が増した。 「安心しろ。警察が使ってる金属でできたものじゃない。龍を優しく拘束するためのツールだ」  浩司兄ちゃんが僕にわかるように説明してくれても、不安が拭えるわけじゃなかった。拘束すると宣言された時点で、このふたりにいいように弄ばれるのがわかりすぎる。

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