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第2話

「なぁ龍はいつもどんなこと考えて、オナニーしてるんだ?」  僕の躰をまさぐる怜司の片手が、下半身に伸ばされた。 「やっ!」 「ふふっ、少しだけ大きくなってる。俺の手で、もっと感じさせたい」  制服のスラックスの上から躊躇なく握られた僕自身は、はじめて他人から与えられる快感に、どんどん変化していく。  怜司の抱きしめる腕の力に抗いたいのに、感じさせられるたびに力が見事に抜け落ち、息がどんどんあがっていった。 「怜司っ、もぉやめっ……」 「完勃ちしといて、やめろなんてよく言えるな」 「くっ、こんなの嫌に決まってる。友だちがすることじゃない」  息を切らしながら、怜司の胸を力なく叩いた。そのタイミングで、部屋の扉が勢いよく開く。ふたり揃って顔をそこに向けると、高校一年の怜司の兄浩司が驚いた表情で立ちつくした。 「浩司兄ちゃん、助けて!」  助かったと思った僕は、渾身の力を込めて怜司を突き飛ばし、浩司兄ちゃんの傍に駆け寄った。僕よりも大きな躰が、優しく包み込むように抱き締める。 「怜司、なにやってんだよ」  浩司兄ちゃんの背後で、扉が静かに閉まった。 「なにって、龍がかわいくてつい――」 「怯えさせることをするんじゃねぇよ。かわいそうに」  口ではそう言った浩司兄ちゃんの片手が、僕の大事なところになぜか触れる。 「!!」  大きくなってるのを確かめるように、指先で軽く触れてから、宥める感じで僕の頭を撫でてくれる。浩司兄ちゃんに守られることに、すごく安堵した。 「まったく。怜司、どこまでヤったんだ?」 「キスして、龍のを握っただけ」 「握っただけじゃなくて、扱いたんだろ?」  怜司にされたことをズバリと言い当てられただけで、なんだか恥ずかしくなり、俯いて頬の赤みが見えないようにした。 「だって龍の感じてる、かわいい顔が見たかったし」 「だったら、もっと見ればいいじゃん」  浩司兄ちゃんの両手が僕の肩に置かれると、怜司を見るように反転させられた。そして両脇に腕が突っ込まれ、羽交い締めにされる。 「浩司兄ちゃん、なにして……」 「本当は来月ある、龍の誕生日まで待つって話だったのにさ。計画がとん挫したじゃないか」 「僕の誕生日?」  呟くように訊ねると、怜司が目の前にやってきて、ワイシャツのボタンを外しはじめた。 「兄貴とふたりで、龍の誕生日プレゼントはなにがいいか考えたんだ。そしたらさ、見事にあげたいものが同じだったわけ。だからそれまで我慢しようって話だったんだけど、俺が我慢できなくなっちゃった」 (あげたいものが同じって、いったいなんだって言うんだ?)  絶句している僕の頭上から、楽しげな声で浩司兄ちゃんが話しかける。 「怜司が龍のファーストキスをもらってるんだから、初フェラは俺がもらうからな」 「はいはい、右の乳首は俺がもらうよ。この陥没した乳首を責めることを考えるだけで、夢に見ちゃうくらい興奮したんだよ」  さっきからなされる信じられない言葉の羅列に、頭がおかしくなりそうだった。

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