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第5話
「あ……っは…ぁ」
「ほらほら、遠慮せずに、もっと腰を動かしてみろって。早くイケば龍の嫌なことから、すぐに逃げられるんだぞ」
迷うことはなかった。必死になって激しく腰を上下させる。
「んんっ…っぁ! あぁっ…っぁあ…ふ…ぁも…いっ、いきそ……」
僕のセリフを聞いた浩司兄ちゃんは、いきなり頭をスライドさせて、さらに僕自身を感じさせた。
「ぅあ……やぁっ、あああ!」
ビクンと躰を何度も痙攣させながら、浩司兄ちゃんの口元に下半身を押しつける。勢いよく欲が放出されているのがわかるくらいに絶頂したため、頭の中が真っ白になった。
「ぁあっ、いっ……イった。イったから、もお……うっ、やめっ、ンンっ!」
思いきり出し尽くした僕自身を、浩司兄ちゃんは未だに咥えたままだった。もう出るハズないのに、刺激を与えるように吸い続ける。
「龍のイくときの顔、すごく可愛かった。手錠で繋がれてるのに、必死な顔して躰を揺らしてさ。手錠をガチャガチャ鳴らしながら喘ぐ声もちゃんと記録できてよかったよ」
怜司の『記録』という言葉に反応して、慌てて彼を見た。胸の前に組んでる腕の隙間にスマホが隠されていて、僕らを撮影したのがわかってしまった。
「怜司、おまえ……動画撮ったのか?」
嫌な予感が胸を駆け巡る。なにに使うか聞きたいのに、セリフが出てこない。
「兄貴、いい加減に順番まわしてくれよ。俺だって龍を感じさせたいんだからさ」
「しょうがねぇな。さっきの動画、俺にも共有しろよ」
「ちょっと待って。共有なんてそんなのやめて。信じられない、なんでそんなもの……」
「ハハッ、決まってるだろ。龍が俺たちから逃げないようにするためさ」
カラカラ笑いながら告げられたセリフが、嫌な感じで鼓膜に貼りついた。
「俺は反対したんだぜ。そんなもんなくても、龍が逃げない方法はいくらでもあったのに」
浩司兄ちゃんは絶望して固まる僕にキスしてから、怜司のもとに駆け寄った。ふたりして楽しそうに、スマホの画面を見入る。
「反対したくせに共有しろなんて命令するとか、兄貴マジで最低」
「俺のフェラで龍を感じさせた貴重な動画をだな、共有しないわけないだろ」
「はいはい、勝手に共有してくれ。今度は俺が龍を感じさせる番だ」
浩司兄ちゃんにスマホを手渡した怜司が、舌なめずりしながら跨り、僕の躰を好き勝手に弄りはじめた。
動画を撮られた時点で、このふたりに虐げられるのが決定したことで、僕のこの先の未来が暗いものへと変化した。なにをされても抵抗するのが億劫になり、天井を見上げながらされるがままでいたのだった。
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