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第67話

「龍、そんなに力まれると解し足りないのに、すぐに挿れたくなる」 「挿れて……もぉガマンできない」  淫靡にへこへこ下半身を動かす僕の様子で、浩司兄ちゃんはナカから指を抜き去り、手早くゴムを着ける。そしてふたたび僕の両膝を持ち上げ、ゆっくり腰を押し進めた。 「あ……っは…ぁ」 「ゴム越しでもわかる。龍のナカ、めちゃくちゃ熱い」 「浩司兄ちゃん! もっと挿れて、奥深くに突き刺して!」  導くように腰をしならせたら、浩司兄ちゃんは一旦腰を引き、何度かその場で前後させる。 「龍、覚悟しろよ。おまえが強請ったんだからな」  持ち上げた両膝をもとに戻して、ぎゅっと抱え込んだと思ったら。 「やぁっ、ぁあああ!」  強く突き刺された衝撃で、呆気なく達した。しかも「イク」なんて言う間もなかった。 「あ、ぁあ……ぅあっ」 「ナカ、びくびく痙攣してる。すげぇ気持ちいい」 「痺れて、わけがわからない」 「だったら俺が激しく動いて、わけがわかるようにしてやる!」  浩司兄ちゃんの大きな手が僕の腰を掴み、躰が逃げないようにガンガン打ちつける。 「あぅ…ッ…っ! ああぁっ」 「イったばかりなのに、もう復活してるじゃないか」 「そんなこと、言わないで……あっ…んあっ」  恥ずかしくてその部分を隠したのに、みずから触れてしまったのは失敗だった。腰を打ちつける浩司兄ちゃんの動きで、隠してる部分と手が擦れ、ひとりエッチしてるみたいになる。 「ん、ふ、あぁ……」 「頬を赤く染めて、なにを考えてる?」 「だってこんなに乱れた姿を…んあっ、見られたら、恥ずかしくて」 「もっと乱れて、エッチな声を聞かせて。かわいい龍の姿が見たい」  浩司兄ちゃんの腰がグラインドするたびに、気持ちよさが増していく。 「んっ、やっ、そこっ、だめ、あっ、あっ…あぁっ」 「いつもより声が甘い。それを聞いてるだけで、イける気がする」 「浩司兄ちゃん、ンンッ…にだけ、っあぅ…ッ聞かせて、るんだよ」 (こんなに乱れて恥ずかしい姿でも、大好きな浩司兄ちゃんになら平気) 「龍、好きだ……好きすぎてたまらない」  それ以上、奥に挿れられないのに、突き刺したままぐいぐい腰を押しつける。 「そんな、奥突いちゃぁっあ!」 「もうそんなに締めつけられたら、イくしかないだろ。くうぅっ!」  浩司兄ちゃんが僕に感じて、思いきりナカで爆ぜている様子は、快感以上にしあわせを感じることができた。 「すげっ……龍にイカされた」 「ふふっ、浩司兄ちゃんのイってる感じが、すごく伝わってきたよ」 「ちょっと余裕ありすぎだろ。悔しいな……」  唇を尖らせた浩司兄ちゃんは、さっさと腰を引いて躰を起こした。僕も起き上がろうとしたら、「そのままでいろ」と待ったをかけられる。

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