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第75話

 イヤなのに腰を掴まれるせいで、僕が逃げられないのをいいことに、大きいのをグリグリ壁に押し当てられた。 「ひいぃっ!」  怜司から与えられる執拗な圧力と、塗りたくられた潤滑油に括約筋の防御力が見事に削られていき、少しずつ捩じ込まれて、僕のナカが徐々に突破されいく。  後孔を閉じて怜司のを追い出したいのに、吐き出させない力が絶対的すぎた。 「んあっ……やあっ、やめてぇ…こあれるぅ」  防ぎ疲れて気を抜いたら、余計奥に入ってくるのがわかるゆえに、抵抗を続ける僕に、怜司は額の汗を拭いながら腰を押し進める。 「龍のは壊れない。どんどん俺を受け挿れてる。ヒクつきながら、みずから俺を奥に導いているよ」 「い、嫌なのにいっ……こんな、のっ、望んでぇ…っん、なぃ……くうぅ!」  なんとか抵抗すべく、怜司が掴んでる両足に力を入れ、目の間にある躰を挟み込んでやった。するとそれに気づいた怜司は、進ませていた腰を一旦引く。 「ンンっ!」  引いたのはほんの一瞬だったのに、怜司のイヤな笑みを認識したときには、さっきよりも奥に押し込まれて――。 「ぁあああ゛あ゛あ゛っ!」  僕の感じる部分に目がけて、怜司の先端が抉るように、何度も擦りつけられた。 「らめ! それらやめっ…も、イっちゃうぅっ!」  散々弄られて、こんなふうにビンカンなところを大きいので擦りつけられたら、一溜りもなかった。僕は何度も大きく躰をビクつかせながら、欲を盛大に吐き出すしかなくて。 「あっ、ああ……はああっ…うっ」 「ヤバいくらいに、ナカが痙攣してる。気持ちよすぎだろ」 「怜司……も、やめて」 「俺のでこんなに感じてるクセに。しかもまだ挿れてる途中だぞ。これで奥を突いたら、どんなになるんだろうな?」  くすくす笑って、傍に置いてある箱ティッシュから数枚ティッシュを引き抜き、自身の腹の上に放出した欲を丁寧にふき取ってくれた。 「あのさ、龍。不思議に思わないのか?」 「な、にが?」 「俺が龍の感じるところがわかってること」  怜司はふき取ったティッシュを、離れたところにあるごみ箱に放り投げた。それは外れることなく、綺麗な放物線を描いて、ゴミ箱の中に投入される。さすがは、バスケ部のエースといったところかもしれない。  抵抗することにほとほと疲れてしまった僕は、のん気にそんなくだらないことを考えてしまって、怜司の告げた『感じるところがわかっていること』なんて、全然思いつかなかった。 「俺さ、ふたりが付き合ってるのを知ってから、ボイスレコーダーを兄貴の部屋に置いたんだ」 「えっ?」 「きっと俺が部活中に、ふたりがヤってるだろうなって思って」  怜司のセリフに、僕は驚きで固まった。ナカに挿入されたままになってるモノの存在すら、感じなくなるくらいに衝撃的な事実だった。 「龍、もっと驚くことを教えてやろうか?」 「……な、なに?」  震える口調で訊ねると、怜司はどこか切なげな表情を浮かべ、僕の耳元に顔を寄せる。 「俺が設置したボイスレコーダー。兄貴は気づいていたのに、わざとそのままにしていたんだ。表向きに隠して置いてあったものが、裏向きに代わっていたのが証拠でさ」 「つっ!」 「自分たちが仲良くヤってる声を、俺にわざと聞かせるために、兄貴はボイスレコーダーを見逃したんだよ。めっちゃ性格悪いよな」  怜司はそう言うなり、油断している僕の最奥を一気に貫いた。

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