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第78話 ※懇願

我慢って言葉を忘れてしまうには充分だった。 「も、もう…」 気がつけば半べそに近い声で、ねだってしまっていた。 阻止していたはずのおじさんの手を然り気無く、自然に解放する。 「もう…って何?」 おじさんが優しく掌を胸から下へと滑らせる。 脇腹は弱い。 「ん、…あっ」 くすぐったいからなのか、感じているのか鼻から甘い声が抜けていく。 おじさんは大きな掌で僕の腰を抱き寄せる。 それから反対の手で大切な場所を撫でてきた。 「フフッ」 おじさんが、楽しそうに嬉しそうに笑う。 大きな手が僕のおちんちんの形を確かめるように蠢く。 おちんちんが次第に硬くなってくる。 クチュリ… 「いや、ん…」 とうとう我慢の出来なかったおちんちんが、エッチな汁を溢し始めてしまったのが分かった。 「おじさぁ…ん」 とうとう僕は海里おじさんに、しがみついた。 これ以上は耐えられない。 この高ぶった体をこのままに、映画なんて観ていられない。 というか、数少ない僕の性体験の記憶が強烈にフラッシュバックしてきて今すぐに、どうにかして貰いたかった。 「お願、い…」 「ん?」 おじさんは優しく微笑んで、僕の次の言葉を待っていた。 「お願いだからぁ…っ」 「うん。何でも聞いてあげようね」 すがりつく僕の肩を抱き締めて、髪の毛に鼻先を埋める。 余裕な声が降ってきた。 「結斗、言ってごらん?」 僕は、おちんちんの上に置かれた大きな手を上から押さえて応えた。 「も、もうっ、…イきたいよぉ…っ」 俯いていた顔を上げて、好きな人の顔を見た。 チュゥ…ッ 僕の好きな人は暗がりの中、僅かなスクリーンの光でさえ見惚れる笑顔で軽く頷くと、おでこに軽くキスをしてくれた。 「愛しい恋人の願いは叶えないとね」 映画は盛り上がる重要なシーンなんだろう。 挿入歌も仰々しく響き渡り、光も鮮やかで。 そんな中おじさんに連れられて、僕はドアから出て行った。

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