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萌は口元に両手を抑えて
顔を歪めていた
「……男が…
男となんて……
汚らわしいっ!!」
萌の言葉に
竜一も佐倉も
そして僕も
動きが止まり
萌を見た
萌は瞳を潤ませ
そして軽蔑した表情のまま
廊下を走り去った
「………」
「………」
竜一と佐倉は
顔を見合わせると
冷静を取り戻したのか無言で離れた
"汚い"
"汚らわしい"
……わかってたはずだけど
こんな風に
面と向かって言われたのは初めてで…
「………」
佐倉と寝たかもしれない事よりも
それよりももしかしたらずっと苦しくて
萌の言葉が凶器に変わり
僕の心に突き刺さった
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