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第23-4話

軽く目を閉じ、目の前の唇に貪りつく。 「……ん、」 激しく歯列をこじ開け、求めるがままに熱い咥内を搔き回す。 もう……ごちゃごちゃ考えるな。 俺だけを見てろ。俺だけを感じろ。 周りの意見なんかに、振り回されてるんじゃねぇ── 濡れそぼつ舌を絡め、強く吸い上げながら唇を離せば……薄く目を開けたその先に、蕩けた瞳が映る。 「イくぞ、一緒に」 ドク、ドクンッ──…‥ 愛おしさと切なさが滾り、溢れた全てをナカに注ぎ込む。 小さな身体をしっかりと抱き締め、手を握りながら熱い息を吐く。 一生、大事にする。 だからずっと……俺の傍にいろよ。 「ん、……」 苦しいとばかりに、もぞもぞと俺の下でさくらが動く。 俺の背中にふわりと回される片腕。当てられる手のひら。そこから伝わる温もりさえ愛おしく、さくらの首筋に鼻先を埋める。 「………りゅ、いち……」 照れたように肩口で囁きながら、擽ったいんだろう。さくらが首を竦める。 その仕草さえ可愛くて、愛おしい。 果てた後も、満たされた気持ちが持続し、更に増していくなんて……知らなかった。 「可愛いな、お前」 「やだ」 「や、じゃねぇだろ」 「………ばか」 引き抜く暇もなく膨張し、怒張が硬さを取り戻していく。それに気付いたさくらが、照れながらも口を尖らせ、潤んだ瞳でじとっと見つめる。 「……」 お前を傷つけるものの盾に、俺がなってやる。 だから勝手に、不安になるんじゃねぇ…… 先程まで感じていたさくらの瞳に、もう憂いはない。 あるのは──真っ直ぐ俺に向ける、眩しすぎる程の純粋な感情(きもち)。 「……さくら」 少し長めの横髪を手櫛で梳き、柔らかな頬を覆う。 「愛してる」 〈special happyend♡〉

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