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第7話
知ってもらうだけ…
いまいちピンとこない台詞だ。
こんな告白は受けた事がない。
普通なら、"告白=交際要求" とくるものだ。
(長谷さんよぉ、そこは、付き合ってくださいだろ!?)
告白に対する認識不足かとも思わせる長谷クオリティ…
恐ろしいヤツだ。
"付き合ってください" と言われたら言われたで困るが…
(やっぱそこは、付き合ってくださいだろ!?)
辛気くさい雰囲気に、自分こんなだし…みたいな全てを諦めたような言い訳じみた台詞…
なんだか無性に腹が立つ…
「よし!じゃぁ、とりあえず付き合うか。」
(………って、はぁ?待て待て、なに言ってんだ俺ッ!?腹が立った勢いで何口走ってんだ!?)
「…ぇ………えぇぇぇ~!?」
鼓膜が破れそうな声が体育館裏に響いた。
「長谷、デカい声出せるじゃん。」
「…あ、ぅ…こ、これは…ビックリ…して………ご、ごめんなさい!!」
そう言って長谷は俺の横を猛スピードで走り抜けていった。
(え?…うっそ…)
「…俺、フラれた?…」
ボヤボヤのダッサい根暗にフラれた…
きっと、今日の出来事は俺の高校生活イチの黒歴史になるだろう。
そう思わずにはいられなかった。
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