8 / 45

第7話

知ってもらうだけ… いまいちピンとこない台詞だ。 こんな告白は受けた事がない。 普通なら、"告白=交際要求" とくるものだ。 (長谷さんよぉ、そこは、付き合ってくださいだろ!?) 告白に対する認識不足かとも思わせる長谷クオリティ… 恐ろしいヤツだ。 "付き合ってください" と言われたら言われたで困るが… (やっぱそこは、付き合ってくださいだろ!?) 辛気くさい雰囲気に、自分こんなだし…みたいな全てを諦めたような言い訳じみた台詞… なんだか無性に腹が立つ… 「よし!じゃぁ、とりあえず付き合うか。」 (………って、はぁ?待て待て、なに言ってんだ俺ッ!?腹が立った勢いで何口走ってんだ!?) 「…ぇ………えぇぇぇ~!?」 鼓膜が破れそうな声が体育館裏に響いた。 「長谷、デカい声出せるじゃん。」 「…あ、ぅ…こ、これは…ビックリ…して………ご、ごめんなさい!!」 そう言って長谷は俺の横を猛スピードで走り抜けていった。 (え?…うっそ…) 「…俺、フラれた?…」 ボヤボヤのダッサい根暗にフラれた… きっと、今日の出来事は俺の高校生活イチの黒歴史になるだろう。 そう思わずにはいられなかった。

ともだちにシェアしよう!