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第68話
稑くんの苦しそうな呻き声と、ゆっくりなせいか少し遠慮がちではあるけど確実に響き始めた水音…
稑くんに聞こえているか分からないけど、僕には鮮明に聞こえた。
「稑くんが頑張ってくれたから少し解れてきたよ。…ほら、分かる?」
ゆっくり抜き差しすると稑くんの口元からようやく甘い声が漏れた。
「ぁ、んン…ッ…」
「気持ちいい?…」
「はぁ、は…ぁ…きもち…ぃ…」
「うん、そうだね、気持ちいいね…」
言い方は悪いけどまるで刷り込むみたいに繰り返した。
「んぅ…ぁ…ッ…紘二ぃ…」
「うん?…」
「ね、こーじ…」
稑くんの腰がモジモジと動いた。
これは我慢できない時の動作。
「稑くんねぇ…君さ、こういう時、人格変わりすぎだからね?」
「いや?…ねぇ、いや?…」
「んーん、可愛くて、大好き。…稑くん、挿入れる前にもう一度イっておこうね?」
最初は痛がってたけど、稑くんのモノは萎えずに反応していたらしく、カーペットにシミを作っていた。
僕はホッと一安心した。
「ン…ぁ…イきた…ぁ…んン…」
「自分で弄れる?…僕は後ろ擦ってあげるから。」
録音とか盗聴とかされてない事を願いたくなるような台詞をポンポン言える僕は、稑くんの事を言えないくらいいつもの僕じゃない。
稑くんも拒否をしてくれたらいいのにあまりに素直にやってくれるものだから困る。
お尻を突き上げて、カーペットに頬と胸を擦り付けながら夢中で扱いていた。
「あっぁッ…きもちぃ…こーじ、きもちッ…んぅ…ぁあ…」
僕の名前を呼びながら自慰をするくんを目の当たりにして、僕の居ない8年間、稑くんがこうして僕を思いながら自慰に耽る日があったかもしれないと思うと酷く興奮した。
「気持ちいいね…もっと名前呼んで?もっと、沢山…」
「んっンっ…こーじ…ふ、ぁ…こーじ、こーじぃ…あっあっ…こぉじ…擦って…紘二…ぁ…奥…擦って…ッ…」
可愛いリクエストに応えて徐々に抜き差しの速度を早めた。
激しく内壁を擦ると、遠慮がちだった水音が主張し始めた。
ナカで指を折ると稑くんは一際大きい声を上げたてそった。
そのままビクビク痙攣してぐったりしてしまった。
今触ってるコリコリしてるのは稑くんのイイ場所…
察するに、イったんだと思う。
「もう、本当に可愛いんだから…」
目の前で荒い呼吸をしながら肩を弾ませる稑くんを見ながら目を細めた。
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