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「ああっ、やっ、あっん! あっ……! 出ちゃっ……!」
ぎゅうっと直輝にしがみつく手に力が入る
背中が反り上がって直輝の歯にコリコリと挟まれて苛められた刺激でまた下着の中で射精をしてしまった
「ああっ……! あーっ……んーっ……」
「またイっちゃった?」
「はっ……はぁっ……」
ぼーと頭が霞んでいる
何か直輝が話しているのにうまく聞き取れない
お風呂の中熱い
湯気? 真っ白で段々目の前が見えなくなる
直輝変な顔してる……
「おい、祥? 祥っ?」
「……ふふっ……へんな……かお……」
「っ! おい?!」
「……」
そこでぷつりと記憶が途切れた
次に目を覚ました時は
俺はベットの上で布団にくるまっていた
隣を見たら直輝が手を繋いでくれていてベットを枕に床に座って寝ている姿
ズキズキと頭が痛んでオデコに触れたら冷えピタが貼られていた
「ん……、なお……なお……?」
「……」
「なお、起きて……そこじゃ体が……」
「…………」
ゆさゆさと体を揺らしても一度寝たらなかなか起きない直輝は全く反応がない
気だるい体を動かして上半身を起こすと直輝の耳に噛み付いた
「っん」
「……直輝、起きて」
「……」
「起きないの……? もっと噛まれちゃうよ?」
「…………」
「……ねえ直輝、寂しい……一緒に寝ようよ……」
うんともすんとも言わないからだんだん寂しくなってくる
直輝のデカイ図体をベットへと引っ張るのは今の俺には無理そうだし
何より直輝と話してたいのにこれじゃあ1人だ……
「王子様を起こすのはキスって話を知らないのか?」
「へ……?!」
「ほら、早くキスしろよ」
「起きてるの?!」
「……」
しょんぼりとしていたら
下からそんな言葉が聞こえてくる
起きてる癖に無視してたんだと思うとあんぐりだ
お陰でいつもなら言えない様なこと
ポロポロ言っちゃったし最悪
「直輝っ」
「……」
「いつまでたぬき寝入りするんだよ」
「…………」
「……起きてくれないの?」
俺がキスする迄起きる気が無いのか
直輝はたぬき寝入りを続けたまま
「……本当にキスしたら起きる?」
「……」
そう聞いた途端にこくこくと首が動いて直輝が頷いた
本当こういう所子供っぽい
でもそういう所が好きだったりするんだ
「ふふっ、ばーか早く起きろよ」
「……」
直輝のサラサラな髪を撫でながら
ほっぺたキスをする
離れてそわそわとしながらも
直輝が起きるのを待っていたけど起き上がる気配がない
どうして?
そう不思議に思った時
急に起き上がった直輝に唇を塞がれた
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