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プロローグ
籠の中の鳥は、大空を羽ばたく為の羽を切られ、ただただ主人の為に鳴く。
鳥には、生きるために十分なエサと水を与えられ、飼い主によっては、愛情も与えられるかもしれない。
例えそれが歪んだ愛情だったとしても、与えられるものを拒否することは許されない。
鳥は、夢も希望も、何も持たない方がいい。
記憶も感情も、ないほうがいい。
羽をもぎ取られ、自由を奪われたことを忘れて、籠の中で、ただひたすら主人の為に生きればいい。
穏やかで温かな、日溜まりのなかにいたような平和な日常は、もう二度と返ってこないのだから。
籠の中は、ひどく冷たい。
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