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第1話
耳の奥…
いや、頭にガンガン響く甘ったるい声…
それはまるで、自分が発しているようなそんな感覚に陥るくらい近い。
上手く息ができない…
苦しい…
俺は意識の向こう側でそんな事を考えていた。
「ッン…は、ぁ…あっ…」
「…くッ…」
もう一つ…
それは耳の奥で感じた。
俺じゃない…
他のなにかの息を殺したような呻き…
「…ンん…ッ…はぁ…」
不愉快な甘ったるい声…
息苦しさ…
なにかに押し潰されているような感覚…
それらが俺の意識を呼び覚ましていった。
「…ッ…目が、覚めたかい?…」
視界がボヤけてよく見えない。
でも、俺の前には確実に影がある。
耳の奥で、少し荒くなった呼吸と混じって聞こえた声は、バカみたいに甘ったるい声だった。
その声に聞き覚えはない。
「んン…は、ふッ…く…ぁあ…」
ベッドが軋む…
喉が乾いて、ヒリヒリ痛む…
身体中が熱い…
この身体の熱のこもり方に覚えがある…
その感覚は、セックスと似ていた。
徐々に視界が開けていった。
開けた視界が捉えたのは、受け入れ難い現実だった。
俺は、知らない男に激しく揺さぶられていた。
「…ふふ、…まだ足らないようだね、奥が…とても収縮しているよ…」
ケツの圧迫感が酷い…
擦れて奥がヒリヒリ痛む…
腹が痛い…
奥を抉るように激しく突かれて、揺さぶられた。
おかしい…
なんで…
なんでこんな事になったのか分からない。
分かったのは、これは夢なんかじゃなく、現実だという事だった。
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