ゆっくり抜き差しする感覚が気持ち悪い… でも、勃っているという事は身体はそれを気持ち良いと感じている事になる。 こんなのが気持ち良いわけがない。 認めたくない… 「…大丈夫かい？…かなりパニックを起こしているようだけれど…」 これは、パニックを起こさせている張本人の台詞じゃない。 本当に腹立つヤツだ。 「…こんな事されて、大丈夫なわけ…ないだろ…」 「…そうだね。俺自身も、相当驚いているよ。」 キツく睨み付けると、八神は口元を拭いながら、少し困ったように笑った。 何を困ってそんな顔をするのか分からない。 八神は、自分の指先に舌を這わせて、唾液を絡ませていた。 その姿が無駄にエロい。 その指先がケツの穴にあてがわれたのを感じて身体が強張った。 ツプッと八神の指がゆっくり挿入ってくる。 たかが指一本なのに、その酷い圧迫感と奥を広げられていく痛みに息が詰まった。 「…蹴人、もう少し力を抜く事はできるかい？…」 「…ひッ…ぐ…ぅ、痛…ッ……」 「…そうだね、難しいね。」 「も…ッ、無理…ん"…ン…ッ…」 「ゆっくりと深呼吸をして？…ゆっくりとだよ、蹴人。」 詰まった息をゆっくり吐き出すと、指が更に奥に進むのを感じた。 指一本でこの痛みだ。 チンコとか絶対無理だ… 絶対死ぬ… ここから先への恐怖にまたパニックになる。 「八神ッ…やだッ、マジ無理…あ"ぁ…指、動かすなぁ…」 「…蹴人、またパニックを起こしているね？…君はもう少し冷静な人なのだと思っていたけれど、追い詰められる事が得意ではないようだね。」 「…ゃ、やだやだ…、抜けッ…ン"ぅ…ゃだ…ぁ…ゃ、だ…」 パニックどころの騒ぎじゃない。 完全に頭も心も身体もバラバラだ。 こんなになるのは初めてで、怖い… 泣きながら訴えても、八神は止めるどころか内壁を擦るようにゆっくりとピストンし始めた。 「…ふふ、グズグズな君も、子どものようで可愛らしいね…」 徐々にピストンが早まっていくのを感じる。 水音が響いて耳を覆いたくなる。 「…ッ…ん"ン…ぅあ"…止め…」 「…大丈夫…優しくする…」 俺を引き寄せ、髪を撫でながら顔中にキスが降る。 ナカをほぐしながら啄むようなキスをされた後、捩じ込まれた舌が絡まった。 キスに気を取られていると、圧迫感が増したのを感じた。 苦しさはあるが、痛みは少しだけ和らいだ気がする。 ナカで指がバラバラに動く。 それが前立腺らしい場所を掠めて、感じた事がない強い衝撃に身体が弓なりにそれて震えた。 「ひあぁッ！…そこ、止め、ろ…ん"ンッ…触るなぁ…」 「ふふ、気持ちが良いの間違えではないかな？…先程から声が甘くなってきているけれど…」 いちいち腹立つ事を言うヤツだ。 そんな事は、言われなくても俺が一番分かってる。 ケツの穴を弄られて喘ぐとか、マジであり得ない。 八神の指先はさっきからそこばかり擦る。 丁度チンコの裏側辺り… そこをずっと擦っている。 絶対にイきたくない。 俺はシーツをキツく握って堪えた。 「…ハァ…そこ…ばっか、止め…んっん…ッ…あァ…」 イきたくない… 絶対イきたくない… 「…ふふ、切羽詰まった声を出してどうしたのだい？…」 分かっているクセに、意地悪なヤツだ。 「…もッ…イきそ…んン、だからぁ…止め…」 八神の指が抜けて、その感覚にガクガクと腰が揺れた。 後ろでゴソゴソやってる音がする。 金属音だったり、布が擦れるみたいな音だったり… それが何を意味しているのか、俺は分かっている。