214 / 270

第46話

八神が、今の状況を思い出したみたいに、ズルッと抜いて俺の上から退くと軽々抱き上げた。 下半身丸出しの男が二人玄関で…と思ったら笑える。 八神が何故か俺の尻を閉じた。 「お、おい、なんだ。」 「俺のモノが出てしまわないようにね。」 「はぁ?離せって!」 「今日はね、君のお腹がパンパンになるまで逃がさないつもりだよ。」 「バッカ…腹下すだろ!」 「そうなってしまったら、俺が看病するよ。…それと、もれなく俺の特製の美味しいお粥が付いてくるよ?」 「うぅ…」 食い物に釣られるとは、我ながら… 八神も八神でズルい… 「さぁ、どうするのだい?」 「…好きにしろ…」 「ふふ、その答えは君らしくてとても素敵だ…」 まぁ、そのままベッドに連れていかれて、例によって例の如くだ。 八神の性欲は半端なくて、マジで腹が張った気がする。 一度くらい抜いて欲しかったけど、抜かれる事はなかった。 今も挿入ったままだ。 ケツの穴にチンコ咥えたまま寝るとか… ゲンナリというか、白目むきそうなレベルだ。 いつも俺より早く起きて朝メシ作ってる八神も流石に今日は朝寝坊だ。 八神の腹の上で、顔をあげてその寝顔を見た。 「…あ、ヒゲ…」 珍しいものを見た。 目をこらさないと見えない程度だが、八神にもヒゲが生えるのかと驚いた。 手を伸ばしてそれに触るとザリザリした。 なんか楽しい… 暫くヒゲを弄っていると、頭に何かが触れて撫でられた。 八神の手の平だ。 「…こら、…遊ばないの…」 「…起きたなら言え…」 俺の声がカッスカスになってるのに気付いた。 心なしか喉も痛い。 「蹴人、声…」 「…お前のせいだろ…」 「そうだね、俺のせいだね。」 「つか、お前も遊ぶな。」 八神は何も言わないのを良い事に、俺の猫っ毛に指を巻き付けたり解いたりしながら遊んでいた。 「よいでしょう?」 「…つか抜くぞ。」 「嫌だ。」 「…ガキか。」 「君の真似だよ。…俺としてはもう少し繋がっていたいのだけれど、仕方ないね…」 あからさまに残念そうな顔をされると少し可哀想な気分になったが、いい加減俺も辛い。 身体を浮かせて抜いた。 「ッ…」 相変わらず抜くのは苦手だ。 抜いた瞬間に溢れ出て、八神の腹を汚した。 内腿に伝う感覚も気持ち悪くて、ケツに力を入れて引き締めた。 当然、その量もいつもより多い。 「ここからの眺め、なんだかとても唆られてしまうね。」 「知るか!…つか、俺がシャワーしてる間に約束のお粥作っとけ!!いいな!」 少し張り上げた声が喉を痛ませた。 「覚えていたの?お粥。」 「当たり前だ。あとコーラも。喉が痛い。」 「炭酸でない方が良いと思うのだけれど。」 「喉が痛い時は炭酸。黒木家ではそう決まってる。」 「分かったよ。用意しておくね。」 ゆっくりベッドから立ち上がり、寝室を出ようとドアノブに手を掛けた。 「…ねぇ、蹴人…」 「黙れ。」 この甘い声の後、どう続くのかを俺は知っている。 多分… 「君の事をとても、愛しているよ。」 「…」 そして、その言葉に無言で寝室を出た。 その後の台詞を、八神は知らない。 素直じゃない俺から、八神へ捧げる極上の言葉… 壁に凭れて、天井を見上げながら… 「…俺も…愛してる…」 俺は素直じゃない。 多分、これから先もずっと… 素直じゃない。 - 蹴人side end -

ともだちにシェアしよう!