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嵐の前1
自由にならない体で、透は必死にもがく。
「はっ……あ!!……か、はっ……ぁッ!」
衣服は奪われており、露わにされた肌が汗でしっとりと濡れている。
ステンレス製の開口器を嵌められ、強制的に開かされた唇から、言葉にならない悲鳴と唾液が漏れる。
下肢の熱さに気が狂いそうで、透は綺麗に筋肉のついた無駄のない痩身を淫らにくねらす。
まるで拷問のような快楽に責め苛まれ続けていた。
───どうしてッ!?
大きく見開いた瞳から、コロリと涙が溢れた。
一週間前。
生徒が夏休みに入っても、教師には仕事があるが、授業が無い分のんびりした雰囲気になる。
プール開放日の担当のとき、透は誰にも着替えを見られないように、しばらく細心の注意を払わねばならなかった。
彰広に浮気防止だと、剃毛されてしまっていたからだ。
ある程度、生え揃うまで気が気ではなかったが、彰広の自分に対する執着を思い出し、透の体温は少しだけ上がってしまう。
明日は休みなので、今夜は彰広の家に泊まる予定だった。
早く夜になればいいのに……。
そう思った瞬間、透は否定するように首を振った。
思春期の少年のような自身の思考に、透は羞恥を覚えたのだ。
いけない。 まだ仕事中だ。 集中しろ。
彰広との逢瀬に対する甘い期待を振り切るように、透は目の前の仕事に集中した。
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